うる星やつら 二人の愛の危機！？

まさかの…！？ ページ17

「もー！約束したっちゃよ！ダーリン！」
ようやくラムからいつもの呼び名である『ダーリン』と呼ばれ少し感動しながらも、あたるはそれを読み取られないようひた隠しにする。
自分の感情はあくまでもラムの前では絶対に隠し通すのだ。
自分の感情を最も知られたくない相手なのである。
「こらーっこっち向くっちゃ！」
ラムが強制的にあたるの顔を自分の方に向ける。
あたるがラムと睨み合っているとやっと追いついたテンがふわふわと横を飛んでいき、机の引き出しを順番に無断で開けていく。
中身は住所と電話番号が書かれたメモ帳やペンなどだったが、テンは期待して次々と開けていく。
「意外と買っとったりしてな〜」
その行動にあたるがハッとなって手を伸ばしながら叫ぶ。
「こらっジャリテンッ」
あたるが止めようとしたので、ラムが「？」となる。
「どうしたのけ？」
ラムが視界を遮るようにあたるに聞く。
「いや…だからな…」
ラムに迫られ、あたるが困っているとテンが遂に見つけてほしくないものを見つけてしまった。
「あーっコイツちゃんと買っとるでラムちゃん！」
小さな袋を見つけて叫ぶ。
「こっ、このやろーーー！ジャリテンッ！今日という今日は許さんっ」
あたるがフライパンを持って殴りかかろうとしたのをラムが押さえる。
「ラムちゃんパースっ」
「ちゃっ」
そしてそれをテンが空中に放り投げ、ラムにパスする。
あたるが取ろうとするがラムに一足先に取られてしまう。
「あーーーっ」
あたるの絶叫を横目にラムはその中身を確認する。
中にはラムが欲しがっていたあの値段の高いペアネックレスだった。
ペアネックレスはそれぞれ星型の片割れで、くっつけると綺麗な星になる仕組みのものだ。
片方に『A』、もう片方に『L』と刻まれていた。
ラムは思わずあたるの方を見る。
「ダーリン、これ…」
あたるは全力で首を横に振る。
「…ち、違うっ！そ、それはランちゃんにあげようと」
無理矢理言い訳を考えてあたるが言う。
「ランちゃんは『R』だっちゃよ？」
しかしラムによって無残に否定される。
「り、了子ちゃんに」
知り合いの女の子を探して言うが、それも残念ながらラムに否定される。
「了子も『R』だっちゃ」
あたるの最後の抵抗は最早抵抗にすらなっていなかった。
テンは「素直じゃないやっちゃな〜なんだかんだ言うてラムちゃん大好きやんけ」と言ったので少し顔を赤くしたあたるにいつもより強くフライパンで叩き落とされた。

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