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話し合い ページ16

殺気とかで寒気を感じたとかではない。
実際の冷気だ。
この冷気はもしや…
ほぼ確信を持ってあたるが振り返り、叫ぶ。
「おユキさん!」
そこには白く長い美しい髪をもつ雪女の…ラムの幼馴染み、おユキの姿があった。
「あら、ちょうど良かった。ラムが家で待っているから帰って来て、ですって。それじゃ、伝言は伝えましたよ」
おユキは言うだけ言うとスタスタと帰って行ってしまった。
一瞬ポカンとしていたあたるだが、即座におユキの言葉の意味を理解して自身の家に駆け出す。
テンも少し遅れてついていく。
「まっ待たんかーい!またわいを置いていく気か!」
テンの言葉は最早あたるの耳には届かない。
物凄いスピードで家へと走っていく。
家にたどり着くや否やドアを開け放ち鞄を持って2階に駆け上がる。
あたるの母は騒がしい息子に育ってしまった、とため息をつく。
そんなあたるの母の心境はつゆしらず、自身の部屋の扉を乱暴に開け放つ。
そこには見慣れた髪の長いビキニ姿の美しい女性が正座で座っていた。
本当にいなくなってしまうのかと思っていたあたるは心底ホッとする。
「ラム…」
あたるが小さな声で呟くように言う。
「…もう一度、話し合うっちゃ」
ラムが少し鋭い口調で言う。
「おう、話し合っちゃる」
ラムが自分の目の前の位置をポンポンと叩いてここに座れと促してきたのであたるがあぐらをかく。
ラムと真正面に向き合う形になって、なぜか少し緊張する。
そしてラムがゆっくりと口を開いた。
「うちは本気で怒ってるっちゃよ」
眉を釣り上げて電気をバチバチと放電しながらラムが言う。
「だからそれは何度も謝ろーとしてるのにお前が聞こうとしないからではないか!」
バシンッと床を叩きながらあたるが反論する。
「え…?そうなのけ?うちはてっきり謝りたくないのかと思ってたっちゃ」
ラムが想像もしていなかった予想外の返答に心から驚く。
その言葉にあたるが呆れる。
「あのなー…俺はそこまでひねくれとらんわいっ!」
「ひねくれてるっちゃ」
「そんなことなーい!」
ラムはいつものやりとりに笑う。
「じゃぁ、ペアのなにかを買ってくれるのけ?うちずーーっと楽しみにしてたんだっちゃよ?もし買ってくれたら、許してあげるっちゃ」
ラムにそう言われ、あたるが言葉に少し詰まる。
「んなもんいらんだろ」
そっぽを向いて言うとラムが立ち上がって怒る。

まさかの…!?→←いつもと違う



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如月フウカ(プロフ) - sさん» 素敵なコメントありがとうございます!原作は実はお察しの通り何度も何度も読んでおります(笑)こ、公式スピンオフ!?もしそうなったら嬉しすぎますね!?そんなふうに思ってくれて本当にありがとうございます! (2022年10月19日 17時) (レス) @page30 id: 38853c992b (このIDを非表示/違反報告)
s(プロフ) - 面白すぎる...。感動しました!原作をものすごく読み込まれているのが伝わってきます。公式スピンオフできるクオリティーだと思います!! (2022年10月9日 22時) (レス) @page30 id: 6a6e0e01b8 (このIDを非表示/違反報告)
如月フウカ(プロフ) - あまねさん» あまねちゃん読んでくれたのねありがとー!!ラム可愛いよね!一途を極めてて凄い好き笑 (2020年4月12日 20時) (レス) id: e48e0731f6 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - わ、うる星やつらだぁ!ラムちゃん可愛いですよねぇ(ノ≧▽≦)ノ (2020年4月12日 19時) (レス) id: 079e1812d5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:如月フウカ | 作成日時:2018年7月16日 17時

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