うる星やつら 二人の愛の危機！？

いきなり事件発生？ ページ1

ドタドタドタ…
「待つっちゃダーリン！」
友引高校の廊下を物凄い足音をたててかけてゆくのは2年4組要注意人物諸星あたる。
彼をおいかけ、可愛らしい女の子が顔を怒りに歪めて廊下をかけてゆくが、彼女は足音をたてない。
なぜなら彼女、ラムは地球を侵略しにきたインベーダー…つまり、宇宙人なので、空を飛んだり、その手から電撃を放つことができるのだ。
ラムが追いかけあたるが逃げる。
いつしかこれは友引高校の名物にもなっていた。
教室のドアを開け放ち、教室内で騒がしく二人が追いかけっこをする。
ラムが放った電撃をあたるは器用に交わし、巻き添えをくらわないようクラスメイト達も端っこに避ける。
「まーたやってんのかお前らは」
「しかしラムちゃんもラムちゃんだよなぁ。なんであたるなんかと」
超絶美人のラムはクラス内でも外でも大人気だが、ラムの目にはほぼあたるしかうつってないと言っても過言ではないほどあたるが大好きなので、よくこうしてあたるが羨ましがられるのだ。
一方あたるは大の女好きだがもう何度フラレたか分からないほどフラレている。
彼を本気にしているのは恐らくラムと…幽霊の望ちゃん(しかしあたるを美化している)くらいだろう。
だからあたるはそんなに一途に愛されたことが無いため、ラムから逃げてしまうのだ(多分)。
「もーあったまきたっちゃ！ダーリンはうちがいながらどーして他の女の子ばっかり見るっちゃ！」
長い髪を振り回してラムが叫ぶ。
あたるがすぐさま振り返って叫び返す。
「当たり前だろ！女の子を口説くのは俺の人生だ！」
即答で答えるあたるに、ラムは呆れる。
「へー、そうけ。もう分かったっちゃ。反省して謝ってくるまで！うちはダーリンと別れるっちゃ！」
ラムも長い付き合いで彼の優しさや愛情が分かっていたので、別れる気などさらさらなかったが、反省させるためにビシッとあたるに言い放つ。
あたるは一瞬その言葉が理解できず、ポカンと口を開けた後、強がりで腰に手を当てて思ってもないことを口にする。
好きな人の前ではどこまでも素直にならない男、それが諸星あたるという人間である。
「へ？…へー、そうか！お前と別れてせいせいしたわい！」
そして数歩歩いてから振り返る。
「誰が謝るか！バーカ！」
ラムは沸々と怒りが湧き上がってくるのを感じた。
「も〜ダーリンのバカ〜〜っ！」
「うぎゃぁぁぁーっ！」
ラムの声が教室中に響き渡り、続いて電撃を浴びたあたるの悲鳴も響き渡った。

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