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子供たちが寝静まり、耕作は改めてリビングで読みかけの医学書を開いた。
コトリ、とコーヒーの入ったマグカップが目の前に現れ顔をあげると、そこには愛しい妻の姿が目に入った。
「いつもお疲れ様です」
にこりと笑うAの顔を見ると、彼は不思議と心が洗われる気持ちになるのだった。
「あ、そういえば、七夕まつりってしってる?」
Aはそういうと、【七夕まつり】と書かれた黄色いチラシを耕作に見せる。
「あの子達、いくいく!って駄々こねてて…そしたらお兄ちゃんとお母さんが連れてってやろうかって」
Aは視線を自身のお腹へと向け愛おしそうに見つめる。
耕作もつられてそちらに目を向けた。
彼女のお腹は誰が見ても大きく膨らんでいた。
____赤ちゃん。
Aは耕作との3人目の子供を妊娠していた。
「ほら、こんなお腹だし、たまには自分の好きな事しなさいってさ(笑)」
いいな〜なんて、Aはちょっと羨ましそうに呟く。耕作は眉をピクッと動かすと少し強く彼女に言った。
「…ダメだ。お前はひとりじゃないんだ。」
「ふふっ…、分かってるよ。心配性だなぁ〜」
Aは彼を見つめる。
「…けど何かあったときは必ず耕作が助けてくれるんでしょ?」
耕作は「当たり前だ。」と当然のように呟き、Aの手を握りしめた。
「……必ず、とは約束できないが、その日2人で飯でも食いに行くか」
「ほんと?ならこの子にも良い美味しいものが食べたい!」
「わかった。調べておく」
フッと彼が笑うと、連られてAも笑う。
お互いにお互いを大切に思っているのが伝わり、心が暖かくなるのを2人は感じた。
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笹原美桜(プロフ) - 続き楽しみに待ってます! (2021年10月31日 20時) (レス) @page26 id: 9ad5622aaa (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - 続きがとても気になります!お忙しいとは思いますがよろしくお願いします! (2019年8月18日 9時) (レス) id: e53dcff47d (このIDを非表示/違反報告)
鈴木結衣(プロフ) - 続き楽しみです! (2018年9月13日 17時) (レス) id: 27e27da5f6 (このIDを非表示/違反報告)
真衣(プロフ) - 読んでみて面白かったです。更新しないんですか? (2018年4月7日 11時) (レス) id: 984f627d8c (このIDを非表示/違反報告)
藍pon(プロフ) - これからどんな展開になるか楽しみです!これからも頑張ってください! (2018年1月1日 1時) (レス) id: 86b2651b30 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:うるる | 作成日時:2017年9月25日 6時