不思議な女【三十一港】 ページ31
─マルコside─
俺が、あの子を助けて今日で早、三日目。
助けたあの時は、もう無我夢中で船を目ざしたから、あまり覚えていない。
だが、甲板に降り立ち、抱き抱えて、もう一度よく見ると、
「こりゃまた、随分と綺麗な女だねぃ。」
色白の彼女は、今まで出会ってきたどの女よりも、美しく、それでいて、すぐ消えてしまいそうで。なんとも言えない空気を漂わせていた。
？「グラララララララッ！おい、マルコォ。女を攫ってくるとは、大した度胸じゃねェか。」
と、後ろから、この船の船長であり、俺たちの親でもある男が出てきた。
マ「なっ？！オヤジっ！俺は、サッチと違って、そんな趣味持ってねェよぃ！死にそうになってたのを助けただけだぃ。」
と、オヤジに俺は抗議した。オヤジは「さっさと医務室に連れて行けェ。面倒は、お前が見ろ！」と言い、その場をあとにした。
……元より、そのつもりだったがねぃ。
医務室へ連れていき、今できる処置をした。
……早く目ェ覚ませよぃ。
あれから三日目。彼女が起きる気配はない。
俺は、仕事の合間に度々来て、様子を見るのが、もう日課になり始めていた。
今日も、様子を見ようと、医務室を訪れ扉をガチャッと開こうとした。だが、扉を開けた瞬間、
ドゥ──────────ン
？！な……なんだよいっ？！このバカ強ェ覇気は！
覇気に押され中々入れない。
だが、次の瞬間、眠っていたはずの女は悲鳴をあげた。
俺は、いてもたっても居られず急いで中に入った。
……そこにはベッドの上でうずくまり頭を抑える女の姿だった。
その時、何を思ったのか、俺は次の瞬間には女を抱きしめていた。
マ「落ち着けよぃっっっ！」
そうは言うものの、多分今の彼女には聞こえていない。
ただ抱きしめることしか出来なかった。
しかし。
自分の左腕に、いきなり衝撃が走った。
慌てて見れば……獣の牙をした彼女が、恐らく痛みでだろうが、顔を歪ませながら、俺の腕を力の限り噛み付いていた。
こりゃ、パニックかねぃ。
こんな事態にも関わらず、不思議と俺は冷静だった。
もう一度、落ち着けと声をかけようとした時、
彼女の意識は途切れた。
俺は、彼女を再びベッドへ寝かせ、再生の炎で自分の左腕を治した。
だが……噛み跡だけは残ってしまった。
まぁ、仕方ないねぃ。
そう思いながら、部屋を出ようとした時、
『……殺…して…。』
そう言った。
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Licht-リヒト-(プロフ) - 哀羅さん» 応援しております。文字は書いた分だけ上達しますし頑張って下さい！ (2020年8月3日 17時) (
レス) id: 882fee5827 (このIDを非表示/違反報告)
哀羅(プロフ) - Licht-リヒト-さん» オォ！！リヒトさん！！ありがとうございます！！嬉しすぎます泣泣でもこれでもあんまり上手くいってなくて。視点の切り替え下手っぴです笑これからどんどん上手くなれるよう精進します。コメントまで下さりありがとうございます！ (2020年7月22日 17時) (レス) id: 58bdaeccd2 (このIDを非表示/違反報告)
Licht-リヒト-(プロフ) - すごく面白いですね！ 主人公の能力もカッコよくて良いなと思います。また、視点の切り替えもお上手で読みやすかったです。 (2020年7月22日 10時) (レス) id: 17df9f06ee (このIDを非表示/違反報告)
哀羅(プロフ) - 部屋狭さん» 嘘ですよー！私なんかよりも、部屋狭さんの方が絶対良いですよ！！！！でも、とても有難いお言葉です！！ありがとうございます！！そして何よりもわざわざ読んでくださり、コメントまで下さったことにもう嬉し過ぎてハーレムです笑 (2020年6月26日 18時) (レス) id: 58bdaeccd2 (このIDを非表示/違反報告)
部屋狭 - めっちゃ面白いです！私、設定こんな練れないんでウラヤマです… (2020年6月26日 18時) (レス) id: becd15f444 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：哀羅 | 作者ホームページ：http://.uranai.riane.jarrck
作成日時：2020年5月16日 12時
