マイベストフレンド【青】 (ページ6)

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You side

幼なじみだった。優しくて包容力のある人だった。

だから告白された時、彼に釣り合うのか不安ではあったがそれよりも満足感の方が大きかった。

クラスでもよく話題に出るような彼が私の恋人である、という優越感があった。

純粋に彼のことを好きだったかと聞かれると即答は出来ないが、それでも彼を物として扱っていた訳ではなかったし、私の中では大切にしているつもりだった。

彼は酷く嫉妬深い節があった。それもまた私に満足感を与えた。

人気者でみんなに愛される優しくてかっこいい彼の、私にしか見せない拗ねた表情が好きだった。

純粋な好き、ではなくともそこには確かに私なりの愛があったし、きっと彼なりの愛があった。

だから彼からの重い愛情は受け止めていた。それが仇となったのは確かだったが、仕方がなかった。

重い重い愛情はいつしか私への多大な負担になっていた。

彼を嫌いになり始め、憎み始めた時にそれが異常だと気づいた。

おちゃらけて誰にでも愛される彼は気づけば私にだけ冷たい目線を送るようになった。

私にだけ向けていた笑顔もいつしか無くなっていた。正確にはなくなっていなかったのかもしれないが、私が好きな私の求める彼の笑顔ではなくなっていた。

彼を嫌った、酷く嫌った。

彼から貰った愛情を捨てて、この地にやってきた。

だからこそ、この地では幸せになると決めた。

無駄な恋愛はしない、恋愛なんてしなくても人生は楽しいし笑って生きていける。

初恋の相手もどこに恋したかも覚えていないんだから、恋なんてそんな物なのだ。