マイベストフレンド【青】 (ページ3)

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You side

あんま近寄らないでね、とかそういうシーンはよくドラマで目にするものだ。

実際に起きるとは思っていなかったけれど。

「はぁ…」

こんなため息をついてしまうのも、昨日の出来事のせいだった。

渡辺くんに校内を案内してもらっていた途中、渡辺くんのお友達らしい女の子3人組が私と話したいから代わりに案内させてくれ、と渡辺くんにお願いしていた。

"ダルい"とあの整った顔にどデカく書かれてあった渡辺くんは全然いいよ！！！とバカデカボイスで私を放って逃げ出した。

最低だな、あの人。今考えれば彼は本当に最低だった。
あそこであの人が私を放り投げなければまた違った未来があったのかもしれないし。

"私たちの翔太にあんま近寄らないでね"…ダルい、と今度は私が思う番だった。ダルすぎる。

重い女は嫌われるぞー、と思ったが口にはしなかっただけ褒められるべきだと思う。それくらいダルかったし、端的に言うと気持ち悪かった。

紫「ため息デカイねー、どしたの」

「わっ、」

紫「あ、ごめんごめん。驚かせた？」

「あ、いえ」

…ダルい、現在進行形で私の顔に書かれているであろう文字もまた"ダルい"だ。

深澤辰哉くん。昨日から、既にもう嫌いな人。

あの女の子3人組の次くらいにダルいと思う。
地味に私に突っかかってくるし、もはやヤクザかなんかだろう。

紫「そんで？なんかあったなら聞くけど」

「いや、ほんとに何もないです」

強いて言うなら深澤くんに早くどこかに行って欲しい、くらいだ。

紫「えー、冷たくなーい？アタシウサギだから寂しいと死んじゃうんだけどー！」

桃「あは、ふっかブッサ！」

紫「おぉい？！それ悪口ね？！」

青「お前らうるさい、俺寝てるから」

桃「どうせ狸寝入りじゃん」

青「たぬき…なんて？」

紫「お前…ドンマイ！まだ今から頑張れば進学できるよ！心配すんなって！」

青「留年する気はねぇよ！！！」

桃「おーおーでっかい声ー」

紫「でも正直危ないよ、ねーAちゃん」

青「お前2日目にして名前呼びとかきっも…鳥肌立つわー」

桃「え？なんで？良くない？親睦深めるの大事！」

いや、出来れば親睦は深めたくない。本当に。真剣に。