マイベストフレンド【青】 (ページ2)

今日:2 hit、昨日:5 hit、合計:1,218 hit

.2 ページ2

You side

「えっと…いません、」

「え！そんなに可愛いのにいないんだ？」

「ふっかナンパ師かよ笑」

紫「誰がナンパ師だよ！笑あ、急にごめんね？」

「あ、いえ…」

彼はふっかくんと言うらしい。
随分と大人びている顔つきの彼は、女の子と遊んでます！と言わんばかりの表情で私を見た。
陽の雰囲気を纏う彼は実際クラスの中心にいるようだった。

やっぱり苦手だ。初対面の人に彼氏がいるか聞いちゃうデリカシーのなさが、そしてそれを当たり前のようにしちゃうところが、苦手。

ひねくれている自覚はある、これは私の緊張を解いてくれたんだろう。

でもそんな事頼んでいないし、初手から恋愛に踏み込むのはあまりにも失礼だ。

紫「じゃあ俺、彼氏候補にどう？」

「え、」

紫「あ、俺深澤辰哉。よろしく」

「え、あ、はい」

「おいふっか、初対面でグイグイ行きすぎじゃね？」

ふっかくん改め深澤くんの後ろの席からひょこっと顔を出した人がそう言う。

正直有難かった。ネタにしても彼氏候補だなんて言われて戸惑ってしまっていたし。

「そう？俺はいいと思うけど！やっぱ最初が肝心だしね！」

「佐久間…はぁ、そういうポジティブなところ、俺はいいと思うけど他の奴らは嫌いだと思う。多分」

桃「えぇ？！」

紫「翔太も気になってんならここで質問の一つや二つすればいいのに」

青「バカかよ、お前の頭女だらけか？」

翔太くんと言うらしい彼は、今人気の塩顔というやつだろう。綺麗な肌にすっと通っている鼻筋が美しかった。
これは女の子に困らない顔だな、と思った。

無駄に大きな声で話しているのが佐久間くんというらしい。
彼は、私の苦手なタイプだろう。
小さな顔に無駄なく詰められたパーツたちが整っていて、彼もまた女の子の扱いには慣れていそうだ。

実際、3人を見るクラスメイトの女子達はにこにこしながら耳打ちをし合い、騒いでいたようだった。

『坂野の席は1番後ろの渡辺の隣な。渡辺、今日坂野に学校案内しといてくれ！』

青「げ、マジかよ…」

紫「え！じゃあ俺代わりにやるけど！」

青「ふざけんな、お前に任せられるか」

「えっと…よろしくね、渡辺くん」

青「ん、よろしく坂野さん」

この塩顔男子は、私の第一印象があまり良くないようだ。