祓い屋：なでしこ (ページ6)

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「……フフ」

翌朝。
佐藤は伏黒を見て、笑った。

「……なんすか」

「いやね、似てるなーって」

「誰に？」

「憧れの人。あたし、その人に憧れて呪具使いになったんだよなー。……私生活は最悪だったけど」

伏黒は何も言わない。
ただ、あんな男でも慕ってくれる人間がいたのかと思うだけだった。

「ってか、なんでいんだよ」

釘崎がそう言うと、佐藤はヘラヘラ笑った。
ガランとした教室に風が吹き抜ける。

「五条がさ、朝からここにいろって」

「五条先生となんかあんの？」

虎杖が問うと、佐藤はまた笑った。
よく笑うが、どこか嘘くさい。

「なんもないよん」

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「……ふむ」

生得領域で両面宿儺は己の拳を開いたり閉じたりしながら、佐藤の体を貫いた時を思い出した。

(……肉を貫いた感覚はあった。しかし、内蔵……心臓の感触はなかった)

腐る体。死にゆく体。
しかし腐り落ちるまで、死なない体。

心臓はないのに再生していない。
これらから、呪いの王は推測した。

(心臓をどこかに保管している)

再生するなら、必要ではないことだろう。
しかし彼女はそうしている。
なぜか。

(……心臓は再生できない。もしくは、心臓と別の場所……例えば、脳などを心臓と同時に破壊すると……？)

有り得なくはない。
それに、辻褄は合う。

「……ケヒッ」

呪いの王は不敵に嗤う。