祓い屋：なでしこ (ページ4)

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「！」

クナイが影から弾かれ、虎杖が、否、両面宿儺が女性に突撃し、いきなり体を貫いた。

『宿儺！』

中で虎杖が抗議の声をあげる。
宿儺は嗤った。

「三分だけ、しか俺は約束していない」

確かに宿儺は"殺さない"に同意していない。
しかし、虎杖は裏切られた気持ちになった。

「へぇ、両面宿儺か」

「！？」

宿儺は腕を引き抜き、退いた。
女性はケタケタと嗤う。
みるみるうちに体は元に戻り、血すらない。

「さっすが、毒龍退治の逸話持ち。……いや、年代か？あんたの方が酒呑童子より古いもんな」

「……女、お前、なんだ？その"呪い"」

さすがの両面宿儺も不気味に思っている。

「"呪い"だけど？ ……体が、腐ってく呪い。だんだん体が腐ってくんだ。……腐り落ちるまでは死なないけど」

ある種の天与呪縛といっても過言ではない。

女性は左腕の袖を破り捨てた。
左腕は、義手だった。
呪具として機能してはいるだろう。

「今は右脚腐ってきてるよ、見る？」

「誰が見るか」

宿儺はイヤなにおいを感じ取り、間合いをとった。

「隙あり」

「は？セクハラじゃん。訴えんぞ」

五条は女性を拘束し、呪力を封じる札を貼りまくった。

「彼女は、佐藤A。京都の呪術高等専門学校の卒業生だよ。ちなみに一級ね」

「23歳だよ！よろしく〜」

自己紹介する余裕はあるらしい。

三分経ったからか、体の主導権は虎杖に戻っていた。

「一級詐欺師じゃねぇか」

釘崎がそう言うと五条はどこからか座布団を取り出した。

「野薔薇、はい、座布団」

「いらない。超絶いらない」

五条は泣いた。