祓い屋：なでしこ (ページ3)

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＿＿生得領域。

両面宿儺は自身の器である少年、虎杖悠仁を呼び付けた。

意識の外では大人二人が学校を破壊する勢いで戦っているのに、だ。

「小僧、五分でいい。代われ」

「はぁ！？」

「代われば体内に廻る毒を消せる。なによりもあの女を殺せる」

「殺すな！」

宿儺はあからさまに不機嫌になった。
彼にとってあの女性は厄介らしいが、殺していい理由にはならない。

いや、殺されかけたが。

「毒自体は俺が抑えている。代われば毒を消す。あの女を殺す。……五分だ」

「殺すな、三分だ」

「……まあ、よかろう。……三分だ」

宿儺にしては珍しく素直だった。

このままでは共倒れになるから仕方なく、なのだが。

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「領域展開しないのかーい？」

「ッ、」

特級呪具の毒刀を振り回しながら女性は五条を挑発する。

確かに領域展開をすれば、すぐに彼女を倒せる。
しかし、五条にはそれができない二つの理由があった。

「……展開したら、呪具で固定するでしょ」

「当たり前ー」

一つ目の理由である。
"無量空処"をどこぞにでも固定したら、とんでもないことになってしまう。

二つ目の理由は、影縫い。
五条の教え子三人は、女性の呪具のクナイにより身動きがとれないのだ。

「さて、どうすんの？最強」

「まったく……一級とか、詐欺だよね、ほんとに」

今なら女性は最強を倒せる。
そう思えるが、まだ女性は五条を倒せない。
無下限術式があるからだ。

「……ケヒッ」

虎杖が、嗤った。