うちの騒がしい兄弟 (ページ15)

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第4話兄弟の両親ページ15

力矢side

家に両親がいないことに、ランページの皆さんも不思議に思っただろう。でも、気を使ってくれたのか、誰もそのことについて触れてくることはなかった。

力「…うちの両親は2年前に事故で他界したんです。」

R.16人「！！」

陣「それがあるまでは、19人家族で仲良く暮らしとったんです。」

陸「だけど、2年前のある日、名前の高校受験が近づいていたので、両親はお守りを買いに出かけました。その帰り道、事故に…。」

健「そのことがあってから、名前は自分を責めるようになりました。両親が死んだのは自分のせいだ、と。名前は学校を辞めてまだ小さい弟達の面倒を見てくれていました。」

瑠「でもそんな時、名前が突然倒れたんです。医師からは、精神的疲労だと言われました。俺達は名前が倒れるまで、何もしてあげられなかったと、後悔しました。」

力「でも、名前はそんな俺達に何一つ文句を言わなかった。逆にありがとうって言ってくれたんです。」

陣「兄弟がいなかったら自分はもう絶望の中にいたと思う、お父さんとお母さんがいなくても生きていくことができているのは、みんなのおかげだからって言うてくれたんです。」

陸「それ以来、名前は俺たち兄弟を少しずつ頼ってくれるようになりました。嬉しい半面、時々、大丈夫なのかなって心配になります。」

L「名前ちゃんは、今のところ大丈夫なの？」

健「今のところ…大丈夫だと思います。でも、いつ状況が悪化するか、分からないですね。」

瑠「うちにはまだ小さい兄弟もいるので、まだまだ手が掛かるんです。名前が母親代わりなので、弟達は皆、名前のことが大好きで、頼りにしてるんです。」

力「…なんでこの話をランページの皆さんにしたかと言うと、皆さんは俺達兄弟のことを公平な目で見てくれたからなんです。今まで、17人も兄弟がいることで、周りの人から冷たい目で見られてきました。17人なんて、全員血が繋がってないんじゃないかと言われたり、中には差別を受けた兄弟もいます。」

陣「末っ子の慎、龍、拓磨は去年保育園に行き始めたんですが、同級生から避けられて、友達が出来なかったみたいなんです。あの子達はそれが原因で保育園を辞めました。今は元気になっているんですけど、名前がいないと不安に感じるようになってしまっているみたいで…。小学校に行く年齢までにはトラウマを克服させるつもりではいるんですけどね。」