【降谷零】アイツ (ページ1)

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私は逃げた

怖くなったんだ、何もかも

犠牲の上に平和が成り立つ

知っていたはずなのに

覚悟していたはずなのに

"はず"ではいけなかった

だから逃げた

安全なところに

自分が傷つかないところに

ホント最低だ

「ちょっとどうしたの、怖い顔して」

「美和子先輩」

私は最近警視庁捜査一課に配属された新米刑事

刑事になっていきなりの捜査一課で不安もあったが頼りになる先輩たちのおかげでなんとかやっている

「昨日の現場を思い出してしまって……」

「大丈夫よ、じきに慣れるわ」

「本当ですか？」

「ええ、私も最初は戸惑ったけどここまで来たんだもの」

「それは美和子先輩だからですよ」

「もう、そんなに弱音吐かないの！ほら、仕事仕事」

「はい」

っていうのは嘘

私の本当の職業は警察庁警備局警備企画課所属、通称ゼロの公安警察官

警視庁に黒の組織のスパイが潜入していないかや、警視庁の刑事として組織と繋がりのある事件を表から調査している

自分で言うのもなんだが私の顔はかなり幼く見えがちなので年齢を隠して新米刑事として潜入することになった

今までいろんな違法組織や違法団体に属してきたので潜入はお手の物だ

新人の演技は多少苦であるものの楽しくやっている

お陰でゼロに出入りすることも少なくなり、彼と……降谷零と会うこともなくなった

よかった

これでよかったんだ

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微妙