2.夏休み ページ2
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「えーHR始めるぞー、まずもうすぐ毎年恒例肝試しがあるから今日のどこかでペアを決めることとー...」
「そっか、もうそんな時期」
私の学校では何故か知らないけど毎年肝試しがある
去年はたまたまうらたとペアになってうらたの腕にしがみつきながらやった覚えがある
割とホントの墓を通って行くからスリルが半端じゃない
今年は坂田くんと慣れるといいなぁ...
「どうせ坂田となりたいなとか思ってんだろ」
いつの間にか後ろを向いていたうらたが私の顔を覗き込みながら言った
その表情は何故か切なそうだった
「そりゃなりたいでしょ」
「去年のお前面白かったよなーめちゃくちゃ叫んでた」
「うるっさい!!もう過去のことなんだから掘り返すな!!」
うらたがくしゃっとバカにするように笑うからついムキになって対抗していた
ほんっとにこいつは...
「ほら、次Aだぞ〜早くくじひけー」
「あっはい!」
坂田くんとペアになれますよーに...
そう願ってわたしは1枚くじを引いて先生に出した
「えっとー7番は......あ、坂田だな」
「えっ」
一瞬思考回路が停止した
うそっ待って坂田くんとペアなの？え？
私が混乱していると先生に呼ばれたのか、坂田くんが近くにやって来た
えっ待ってこっち来るえ無理
「神谷さん?やっけペアよろしくな!!」
そう言って太陽のような笑顔でこちらを見つめる坂田くん
ああ、好きだ...
「こっこちらこそよろしくね」
そう言って私は頭を下げた
坂田くんにはなんで頭下げるねん!!と笑われたが私は坂田くんと喋れたことに半端じゃないくらい嬉しかった
1年半片思いしていた彼と喋れる日が来るなんて、しかも彼の方から
こんな幸せでいいのか、と思った
「なに？坂田Aとペアなの？」
「あうらさん!!そうやねん!!」
「坂田、こいつめちゃくちゃ叫ぶから気をつけろよ」
「う、うらた!!余計なこと言わなくていいってば!!」
ほんとのことじゃねぇかとげらげら笑ううらた
てかこいつ私が坂田くんと初めて喋ったの知ってて邪魔してきたのか？
相当性格悪いなこいつ...
笑っているうらたを睨みながらいつの間にか席に戻っていた坂田くんに目をやった
ほんとにかっこいいよなあ...また喋れるかなあ
そんなことを思いながら坂田くんを見ていた私を
悔しそうに見ているうらたに私は全く気が付かなかった
続く
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作者名：YUMENO | 作成日時：2019年12月1日 2時
