ゼラニウムをキミに (ページ7)

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契約ページ7

約束したカフェに向かうと奥の席に座っているあの人

「久しぶりだねAちゃん。
急にどうしたの？」

見るだけで吐き気がするけどお金のため、そう思って我慢する。
何故だろう。手の震えが止まらない。

『お姉ちゃんのことは知ってますよね。』

「あーそのことか。うん。知ってるよ。」

おじさんは姉の話を出した途端に偉そうに足を組み出した。

なんなのその態度。
だめだめ、そう自分に鞭を打つ。

『お金がないんです。治療費も生活費も、もう限界なんです。お金を、貸してください。』

自分が人前で頭を下げる日がくるなんて思っても見なかった。

これで断られたら本当にどうしよう。
もう、後戻りはできないのに。

少し考える素振りをして

「いいよ。貸してあげる。ついでに仕事も紹介してあげるよ。」

そういった。
仕事も紹介してもらえるなんて、すがるしかない。この人にかけるしかない、

『本当ですか！？』

もちろんだよ、そう言ってあいつは笑った。

その笑顔が私にとってはとても怖かった。

その笑顔の裏にはなにがあるの？

あいつが私に紹介してきたのはグループのサブマネ。
サブマネと言ってもほんとに少し手伝うだけでいいとは言っていたけど。

やっぱり芸能界だから給料は他よりも高くて。
今の私にはこれ程嬉しいことはない。

でも、あの人のことだ。
まだなにかあるんじゃないか。そう疑ってしまう。

あー！働けるだけでもありがたいんだから！