ゼラニウムをキミに (ページ18)

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夢ならばページ18

私は抱かれた。

気持ち悪いくらい嫌いな男に。

大嫌いな奴にハジメテを奪われた。

白黒だった世界が真っ黒になってしまったみたい。

痛みなんて感じなかった。

ずっと心が苦しかった。

自然と出てしまう自分の声に

恥ずかしさも苛立ちも。

全て忘れてしまいたかった。

『お姉ちゃんにも、こんなことしてたの？』

ふと感じた疑問。
姉もこの人のコネで入った身。
私と同じようなことをしていたのだろうか。

「いや、お姉ちゃんは商品だからね。
商品に手出したなんてバレたら僕でも大変だから。」

淡々と言うこいつに殺意すら湧く。

『そう』

それでも言い返せないのが私。

よかった。
お姉ちゃんが同じようなことをしていなくて。
この苦しみは私だけが分かっていればいい。

家に帰ってすぐ、シャワーを浴びる。

体に傷が着くほど擦った。

それでもアイツの声や感触は消えなかった。

ズキズキと痛む下半身が全てを物語っていた。

私はもう、後戻りは出来ない。

これからもあいつに抱かれて眠りにつく。
そんなことが当たり前になったしまうんだろうか。それだけは嫌だ。そんなの怖すぎる。

現実は甘くはなかった。

それからというもの、あいつは私の仕事を見計らっては私を抱いた。

そのまま朝を迎えてしまうこともあった。

心の苦しみはそのままなのに、
気持ちよく感じてしまう自分のが死ぬほど恥ずかしかった。

苦しみが強すぎたのだろうか。
気を抜いたら快楽に溺れてしまいそうだった。