eighteen ページ19
落ちる一歩手前でルイスはクルーザーに着地することが出来た。
「……」
あぁ、波で揺れているとはいえ地に足が着いているとはなんて素晴らしいことなのだろうか。
甲板の上で四つん這いになり、生きている実感を感じているルイスの側では戦車を一時仕舞い込みクルーザーに興味津々なイスカンダルと、水面に浮かぶ海生動物を眺めている碧がいた。
何故いるのか、という問いは仕舞い込むとしよう。
ルイスは早く海路から空路へと変更したいがため、サイパン国際空港がある北マリアナ諸島に属するサイパン島へと向かわなければならない。
四つん這いから立ち上がり、子供のように目を輝かせるイスカンダルに声を掛けた。
「アレキサンダー大王」
「騎士王のマスターよ、余にこの船を運転させてもらえないだろうか」
ある意味予想していたイスカンダルの提案にルイスは思考を巡らせる。
イスカンダルのクラスは
クラススキルに騎乗スキルがあり、ランクはA+。
どのようなものでも運転席に座れば操縦することは可能だろう。
それこそ彼が欲してい戦闘機も操縦可能に違いない。
もしここでルイスが投影した暁にはもれなくマスターとサーヴァントから目を付けられること間違いなしのため、出来るとしても彼は決してしないだろう。
「では、俺が方向を言いますのでアレキサンダー大王はその方向へ舵取りをお願いします」
「おう！ 任された！」
エンジンを掛け、小型クルーザーはようやく発進できたのである。
時刻は既に午前十一時前。
目的地のサイパン島まではまだまだかかるだろう。
燦々と照り付ける太陽だが、風を切るようにイスカンダルが全速力でクルーザーを操縦しているため熱中症の心配は少ない。
が、別の心配が現れた。
ーーそこの小型船、止まりなさい。
遠方から聞こえてきた声にルイスは頭が痛くなった。
椿の言った通り人生で一回あるかないかの大厄というのは本当かもしれない。
声をかけてきた相手はアメリカ海軍。
おそらく見回りをしていたところ偶々見つかってしまったのだろう。
戦略的撤退をするかと言うイスカンダルにこのまま従うことを伝えると不服そうである。
しばらくすれば駆逐艦らしき船にイスカンダルが目を輝かせたのはこの際見なかったことにしよう。
ハシゴが降ろされると何名かの海兵が甲板に降りてきて。
「おう！ 碧じゃあねぇか！」
「やぁ、久し振りだね」
何故か海兵と顔見知りだった碧がそこにいた。
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しまえなが(プロフ) - 執筆お疲れ様です！しっかりと完結されていて…お疲れ様という気持ちと同時に物悲しいです笑（もっと読んでいたかったよ）。ルイスくんには今後ともunknownで働いていただきましょう(｀・ω・´) (2020年5月8日 20時) (
レス) id: ab18fde111 (このIDを非表示/違反報告)
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