赤い糸のやさしい解き方 (ページ3)

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青空の下の攻防戦ページ3

吸い込まれそうなほど真っ青で雲ひとつない空が広がる午後12時半。

私たちはいつも通り中庭の木陰でお弁当を食べる。
ちょうどそこが数段の階段になっていて、そこに座って食べるのが当たり前になってる。

　
「げんきトマトあげる」
「だめ。食べなさい」
「じゃあ廉あげる、プレゼント」
「要らんわ食べろ」

入っていたミニトマトがあまり好きじゃなくてふたりにあげようとしたら見事に断られた。
ひどい。幼馴染のお願いくらい聞いてくれたっていいのに。
なんて毎度のことをしながら渋々ミニトマトを口に入れて咀嚼する。
噛んだ瞬間、プチッと潰れるあの感覚が苦手。

いつもミニトマト入れるの止めて、
と何度も言ってるのに全く懲りずに入れてくる。
多分これは新手の嫌がらせだ。

「よし、ごっそうさま！」

最後まで取っておいた卵焼きを口に入れてからお箸を片付けてお弁当のふたを閉める。
廉と玄樹はいつも私より早くて大体私が最後まで食べている。
食べ始めるタイミングも会話も同じはずなのに不思議だ。

「教室戻ろうか」
「ねー5時間目なんだっけ」
「数学」
「あの先生好きじゃない」

玄樹が立ちあがって、私と廉も立ち上がりながら話す。
後頭部隠してるつもりなんだろうけど禿げてるよね～、
なんてふざけて笑いながら教室に戻った。

　