赤い糸のやさしい解き方 (ページ16)

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淡い笑みを浮かべたページ16

　
「……起きないね」

11時を過ぎても起きる様子のない廉。
そろそろ足も痺れて疲れてきた。
このままずっと寝られるのはさすがに私が困る。

「どうしよう？」
「俺が担いで移動させようか」
「…お願いしてもいい？」
「ん、いいよ」

玄樹が立ちあがって廉を起こさないように気を付けながらそっと担ぐ。
そのまま歩いていく背中を見送ってから、思いっきり身体を伸ばして立ち上がる。

そこまで背が高い訳じゃないし、筋肉が付いてるイメージもない玄樹だけど、
廉ひとりを担げるくらいは力あるんだなぁ。

そんなことを思いながら視線を移動させると、カーテンがきっちり閉まっていないのが見えて。
閉めようと近づいて、ちらっと見えた闇色。
なにかに惹かれるように窓を開けて外に出る。

「…………、」

手すりに手をついて夜空を仰ぐ。
深い藍色のなかによく見ればちいさな星たちがきらきら輝いてる。
時間を忘れて夜空に見惚れていたらふいにふわっと肩に上着がかけられてパッと振り向く。
そこにいたのは淡い笑みをうかべた玄樹で。

「どうかしたの？」
「ううん、何にもないよ」
「そっか」

寒くない？と聞かれてこくりと頷く。
玄樹が私の横に立って同じように手すりを掴んで夜空を見上げる。

……なんだか不思議な時間。

　