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夕暮れ時に訪問者 ページ12




それから少し日が経ってある夕方。

インターホンが鳴って私が出ると。
そこに立っていたのは廉で手にぶらさげていた袋を持ちあげた。


「作り過ぎたらしいからおすそわけ」
「ありがとって言ってたって言ってね」
「おー、言っとくわ」

「母さーん、廉がこれ持ってきたー」


玄関先で受け取ってキッチンにいる母さんのところまで行って手渡す。
それからリビングから顔を出して上がっていけば?と声をかけると、廉は戸惑うことなくさらっと靴を脱ぐ。


「おばさん、久しぶり」
「久しぶりー、廉くん。
 …ほんとにどんどん格好良くなるわねぇ」
「それが第一声ってどうなの?」


ダイニングのソファに座った廉がキッチンの母さんに話しかけて、
私も廉の横に座って会話に加わる。
廉も玄樹も家にはよく来てるけど、ほとんど玄関先だけで上がらないから母さんとゆっくり会う機会はそこまでない。


「廉くん、明日うちで食べない?」
「食べたい!あ、玄樹もええやろ?」
「もちろんいいわよ、大歓迎だから。
 A、玄樹くんにも言っておいて」


はーい、と返事して玄樹にラインする。
すぐに返信がきてOKだったことを伝える。
そんな感じですぐに決まってしまった。

前まではよくあったけれど最近あんまりなかったから久しぶりだ。
……楽しみだなぁ、なんて頬が少し緩んだ。


 
 

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作者名:奏藍 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2017年10月9日 18時

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