「好きで好きで たまんねぇのよ。」(in×ym)

胃袋つかむ ページ22

R:







慧「なぁに作ってんの〜」


涼「ペペロンチーノ。薮ちゃんがスマッシュで作ってて食べたくなっちゃって」


慧「あーあれね、“あの”薮がねぇ……」


涼「ほんと。“あの”薮が」






薮ちゃんが本格的に自炊を始めて早1年

この前 初めて薮ちゃんの手料理を食べる機会があって。

ひき肉を素手で炒め ポテトを拳でマッシュしてたとは思えない手際の良さだし、普通に美味しかったし、びっくりしちゃった。



あの人、不器用おじさんだけど やればできる子なんだよね

全く料理できない薮ちゃんのいじらしい愛しさが消えたのはもったいない気もするけど……






涼「伊野尾ちゃんは？」


慧「んえ？なに？」


涼「アナタは薮ちゃんとちがって 変なとこ器用おじさんだけど、、本格的に料理しようとかさ、思わないの？」






たまぁにするのは知ってるけど、本気を出したとこはせいぜい1回ぐらいしか見たことない。

ミスター素手とは違って、方法は知ってるのに実行しないタイプ。


料理する伊野尾ちゃん、見たいのになあ






涼「ちゃんだって、やればできる子だと思ってるよ？」


慧「ええ〜？笑」


涼「やなの？」


慧「だって俺、やまちゃんに胃袋掴まれてんだから。やまちゃんの作るご飯がいい」


涼「……………嬉しいこと言ってくれんじゃん」


慧「んー？事実だよ」






隣に立ってたはずが 気付いたら後ろから抱きつかれてて


もう。料理中なのに。怒るに怒れないじゃないか。






涼「俺の胃袋も掴みたいとか思わない？」



慧「まあハート掴んでるから、いいかなって」





事実だから なんにも言えない…！

いやネタにしてもキザすぎるでしょなにそれ！？






涼「も、そろそろ火使うからあっちで待ってて、！」


慧「へへ、かわいいっ。は〜い」





あ〜〜〜暑い。パスタ茹でてる蒸気かな。




ずっと俺は胃袋掴み続けるから
俺のハート掴んで離さないでね、なんて



………言えるかぁ！(照)







甘さレベル：♡♡♡♡

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