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岩本side
翔太からはあまり活発な方ではない、外で遊ぶより室内で絵本を読む方が好き、的なことを聞いてたから、ちょっと意外。
まあ太陽の光を浴びるのはいい事だしね。
岩「どこ行く?」
何か目的はあるみたいで、まっすぐ前を見つめながら歩いている。
辿り着いたのは病棟から少し離れた芝生。
その場にしゃがみこむと一生懸命何かを探してるようだった。
やっぱり走ったりボール遊びしたくなるタイプではないのかな、とぼんやり考えながら見守る。
それより気になるのはやっぱり翔太のこと。
最近はあっちの病棟に行けてないから何がどうなって翔太が壊れかけてるのか分からなかった。
ラウールはもちろん、従兄弟という立場である目黒からもそういう話も聞かないし。
……ちょっと電話してみるか。
目の前のモコモコフードについたクマの耳を触りながらスマホを耳に当てた。
目「照くん、お疲れ様です」
岩「お疲れ様。今平気?」
目「はい、さっき遅めの昼食をふっかさんに奢ってもらいました」
岩「へー(笑)」
何やら満足気なのが電話越しにも伝わってきて頬が緩んだ。
だけどすぐに顔を引きしめて。
岩「あのさ、翔太のことなんだけど」
目「……はい」
何かを考える間があったのは明らかだった。
岩「なんか最近疲れてんのかなーってさっき喋ってて思ったんだけど、どう?」
目「……俺には無理なんです」
岩「ん?」
聞いてることと違う答えが返ってきて、咄嗟に聞き返す。
目「年下の俺じゃダメなんです。翔太くんはそういう人なんです」
目黒の言っていることがあまりよく分からなくて、なんて返せばいいのか分からない。
言葉に詰まっていると、目の前のモコモコの塊がむくっと立ち上がった。
岩「ん?なになに…?」
俺の耳に口を寄せてきたから、何か綺麗な花でも見つけたのかと呑気な気持ちで耳を澄ませた。
亮「っ…………はぁ………」
だけど、聞こえてきたのは何かを訴えるような荒い息。
思わず顔を剥がそうとしたけど、亮平の手がそれを拒むように俺の肩を掴んでいる。
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おいぬ(プロフ) - チェリーさん» メッセージに送らせて頂きました( ᵕᴗᵕ ) (10月12日 22時) (レス) id: e34387800d (このIDを非表示/違反報告)
チェリー(プロフ) - コメ失礼します。sugar and saltという小説のパスワードを教えて頂けますか? (10月12日 17時) (レス) id: 5958ebef62 (このIDを非表示/違反報告)
おいぬ(プロフ) - ぽぽぽさん» わぁ〜本当ですか!とーっても嬉しいです( "̮ )マイペースですがこれからも読んで頂けたら嬉しいです( .ˬ.)" (2022年12月15日 20時) (レス) id: e34387800d (このIDを非表示/違反報告)
ぽぽぽ - コメ失礼します。いつもほほえましく読ませてもらってます!おまけと言っても面白い話で、ありがとうございます。これからも応援しています!! (2022年12月15日 19時) (レス) @page28 id: ae6b64ffe5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おいぬ | 作成日時:2022年8月31日 20時