君が咲く

◇ ページ22

渡辺side


渡「お、よかったじゃーん」



片方にかき氷、もう片方は目黒と繋ぎながら戻ってきた亮平。



目「めめちょっと行っちゃうけど机座って食べててね」


亮「え、」


目「俺次ラウールと進行役なんで…」


渡「ん、頑張って」



パタパタ駆けて行った高身長2人を見送ってから、かき氷堪能中の亮平を見るとなんとも寂しそうな顔。



目「次は宝探しでーす！」


ラ「じゃあ周りのお友達1人とペアになってくださーい」



ラウールの言葉に、使いかけのスプーンをくわえながら上目遣いで周りをキョロキョロ。


他の子供たちはだいたいいつも一緒にいるような子たちとすぐにペアが出来てしまった。



ラ「作れたかなー？……あ、」


渡「亮平は先生としよっか」


亮「……」


渡「先生亮平としたいなぁ。ダメ？」


亮「…いいよ」



気にかけてくれたラウールにもグッドサインを送っておくと、ありがとうございます、と口だけが動いた。


ちぎった新聞紙が入った浅くて広いボールプールが登場する。



目「この中にお宝が入ったカプセルが8個入ってるので、お友達と協力して見つけてください！」



スタート！という2人の声でゲームが始まる。


あんまり乗り気じゃなさそうな亮平に声をかけて、ボールプールに近づく。



渡「ここらへんないかな」



さわさわ新聞紙をかき分けながら探していると。



亮「あっ、あった」


渡「え、ほんとだ」



なんと開始2分もただずに1個目を発見してしまった。

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