Hug Ⅱ (ページ7)

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深澤side

看「よし、翔太くん。深澤さん来たよ〜」

看護師さんに抱っこされて俺に近付けられた翔太は、肺炎の影響かいつもより荒い呼吸をしながらめいっぱい手を伸ばしてきた。

深「ここ痛かった？……そっかそっか」

翔「……っひ、げほっ、げほ」

深「胸がりがりしないよ〜……嫌だね、よしよし」

内側の痛みを外側からじゃどうにもできないもどかしさにイライラするのか、ちょっと泣き声も体の動きも激しくなってきた。

深「大丈夫。しょーた、大丈夫大丈夫、しんどいね…」

翔「いﾞあっ、いたぁ、っ、んんんﾞ、、」

腰の辺りをあやすようにぽんぽん叩いてみるけど、効果がなくて焦る。

看「…ちょっとしんどいかな」

看護師さんもちょっと様子が怪しいと思ったのか、一瞬部屋を出て何かを取りに行った。

看「ちょっとお洋服捲るね、ごめんね〜……」

若干、翔太に抵抗されながらも胸にテープのようなものを貼ってくれた。

翔太も何か貼られた異物感で体を捻ったりしてたけど、服の上から安心させるように撫でられると、少し落ち着いたみたいだった。

看「これでちょっとは楽になるかな…頑張ったね。偉い偉い」

翔「……ぅ」

頭を撫でてくる看護師さんの手をぺたぺた触って、指を見つけるとぎゅっと握った。

指をじーっと見つめながらゆっくり瞬きし始める翔太を見て驚いた。

翔太がこの仕草を見せる日は、よく眠れることが多い。

大体いつも何かを口に入れちゃうんだけど、今日は初めましての看護師さんの指だからさすがに遠慮してるのかな。

しばらくすると呼び出しが掛かったのか、少しバタバタしてから「お帰りになる際、受付に一言声掛けてくださいね」とだけ言って部屋を出ていった。

あの人なら安心だな、と腰掛けた俺の膝の上で指を吸ってリラックスする翔太を見て思った。