愛の音を奏でた王子は今。[男主]

11.音瀬の運転 ページ12

｢え、めっちゃ上手いじゃん！｣
｢ありがとう、さっくん。｣

朝、番宣の前に事務所に立ち寄ったから車は事務所のとこ。助手席にさっくん、後ろには舘さんとこーじと翔太が座っていた。

｢佐久間、興奮しすぎじゃない？？｣
｢笑ってるけど翔太もAの車見て興奮してたよね。｣

舘さん、冷静に翔太をバッサリ言ってる俺知ってるからね。去年、うちの駐車場見てビックリしてたの。
お盆におばあちゃん家に帰省した時におじさんから宝くじ貰ったんだけど、たまたま２等当てて。返そうとしたら、そのまんま使えって言われたから買った、某王冠のマークの車。

｢この年齢でこの車種って渋くない？｣
｢でもAはアイドルとしては正統派王子って感じだから、似合ってるよね。｣

年齢に対しては高い車なのは間違いないけどね。ちなみに、残ったお金は半分は寄付してもう半分はまだ高校生の従姉妹たちに服買ったりコスメ買ったりしておじさんに間接的に戻したつもり。

｢でもこーじと遊ぶ時は、こっちじゃない方乗ってる。｣
｢ツートンのやな。あれかわええよなぁ〜！｣

こっちは初めて乗ったわ〜、とワクワクしてるこーじはなんとなく可愛い。けど、そんなこと言うと本人拗ねるかもっと言えとうるさいかの2択だから、絶対に言わないけど。



｢3人とも、呑気なのは今のうちだよ。｣
｢｢｢え？｣｣｣
｢今夕方でしょ。｣

舘さん、真面目な顔してどうしたんだろ。別に夕方のスーパーって楽しいけど。え？って返したらため息つかれたし。なんだろ。

｢まぁ……着いたらわかるしいっか。｣
｢｢｢？｣｣｣

12.side Ryota.M→←作者より。

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