脚本家になってください (ページ45)

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XLⅡ.Letter ページ45

｢これを読んでるYou……いや、花柳Aへ。

いや、この時点で怖いって。え？心霊現象？｣

｢A、煩い。続き早く。｣

中身は完全に花柳宛。

喜多川氏はもしこれを見つけたのが花柳じゃなければ、どういう予定だったのだろうか。

｢Youがこれを読む頃には、僕は多分この部屋にはいないかもしれないね。君の評判はずっと聞いていたし、光一からも聞いていたよ。なかなかいい作品だね。

……褒めてもらえるのはちょっとびっくりした。｣

｢ムチムチムチ飴の俺らとは真逆ですね。｣

｢え？そうなの？｣

｢ジャニーさんほんと厳しかったなぁ〜……。｣

遠い目をする橋本と猪狩の様子を見ると、本当に厳しい人であったらしい。

2人の言葉に、髙橋優斗や井上、作間もうんうんと肯定の意を見せている。

｢僕の死後、Youの力がこのカンパニーに必要だと感じた。そこで、Youにこの部屋と……ん？この続きは1人で読んでほしい？｣

1枚目の手紙はそこで終わっていて、3分の1近く余白が続いている。

どうやら、肝心の内容は2枚目以降に書いてあるらしい。

｢俺たち、出た方がいいです？｣

｢そうだね、作間くん。1度、お願いしてもいい？｣

｢わかった。読み終わったら呼んで。｣

"ジャニーさんのことだから"

で済まされるこのカンパニーもなかなか変わっているが、そんなこと言いながら井上たちは1度部屋を出た。

そして、内側に鍵をかけて彼女は1枚目を捲った。