脚本家になってください (ページ35)

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XXXⅡ.Border on ページ35

｢お客様、こちらになります。｣
｢ありがとう。

……滝沢、久しぶりだな。｣

｢お久しぶりです、光一くん。｣

｢なるほどね。｣

｢はい、少し気になりまして。｣

｢花柳が……。｣

彼らの本題は"花柳Aについて"らしい。

滝沢なりに、彼女にまつわる真偽を掴みたかったらしい。

｢解雇理由が盗作って聞いてるんですけど……｣

｢実はそれは俺も疑問に思ってたところで。花柳の作風だし、正直変だと思っていたからその話聞けてよかった。｣

光一は行く末を気にしていたらしく、それと同時に今回の処遇に不満もあったようだった。

｢上田なんて"絶対おかしいじゃないですか"って裏でキレてたよ。｣

｢……私も実は叶恋がやったんじゃないかと思ってて。あの子、Aが出る時にパソコンを置いてくように言ってたから。｣

｢それって個人所有のやつだよね？｣

｢そうよ。｣

｢でも、それ理由じゃわからなく無いですか。｣

脚本家が何人かいるGoldCompanyでは、各個人でPCを所有している。勿論、個人で用意する持ち物なので置いていく必要も返す必要もないのだが……。

｢A、没作品って言いつついい作品も書いてるからそれを狙ったんじゃないかしら。最近はロックがあかなくてイライラしてるみたいなのよ。｣