脚本家になってください (ページ34)

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ⅩⅩⅩⅠ.Nostalgia ページ34

｢あの頃のカンパニーは派閥が凄かったですからね。｣
｢そうねぇ……。それに乗せられてこうなってしまったんだから滑稽よね。｣

元々、JourneyCompanyとGoldCompanyは同じカンパニー……正確には、GoldCompany側の座長堂本光一が"独立"したように見せたのだが。

実質は、幹部内の派閥争いである。
喜多川氏が堂本光一の舞台をやりつつ、滝沢主演の舞台に力を入れたことにより生まれた。

当の本人たちはそんなことを気にすることも無く、先輩後輩としていい関係を築いていた。
また、光一自身滝沢の才能には人目置いていた。だからこそ、喜多川氏がすることに光一自身は何も言わなかった。
むしろ、滝沢自身も光一を立てていたし慕っていたのだ。

しかし、まだ若手であった滝沢の舞台に力を注ぐ喜多川氏をよく思わない運営幹部もいた。

｢毎日のようにジャニーさんの部屋に誰かが入って抗議したり、ものを当たり散らしたりしてましたからね。｣

｢ジャニーさんを擁護する幹部とお互いに揉めて、廊下で暴動が起きたこともあったわね。｣

それこそ、SnowManとSixTONESがアンサンブルとして入る前の話である。

恐らく、この当時の話を知るものはそんなにいない。

｢それから私たちが知らない間にGoldCompanyが出来て、独立と移籍みたいな感じになっていたのよね。｣

｢当時を知ってるのも俺と遼香さん、光一くんとあと数人くらいですからね。｣

JourneyCompanyの現主宰兼演出家と、GoldCompanyの看板女優。

傍から見れば2人が仲良く話しているのは変な光景ではあるが、本人たちはそんなに気にしてもいないのだ。