脚本家になってください (ページ27)

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ⅩⅩⅣ.The day... ページ27

｢おはよう。｣
｢阿部、おはよう。｣

岩本と宮舘のやり取りから4日後。

花柳が遺作から書き上げたらしく、夕方に持っていくと連絡を受けていた。
元々この日の夕方は、アンサンブルから主演級まで全員集まるように予定が組まれており、滝沢が"話すのにもちょうどいいから"と急遽呼び寄せたのである。

既に先にオリジナルの台本を読んでいる宮舘は、珍しくソワソワとして落ち着かない様子だった。
そして、阿部はその様子を不審がっていた。

｢ねぇ、舘さん、珍しくない？｣
｢うわ、ホントだ。｣
｢今日、集まりがあるのと花柳さん来るくらいしか変わったことなくね。｣

宮舘がかなり仲良い後輩、というのは深澤や岩本ほど多くない。しかも、宮舘と交流のある後輩はだいたい稽古にきちんと来てるのでそこまでそわそわする事でもない。

となれば、理由は1つしかない。

渡辺はその理由を分かっているだけに苛立ちを見せているし、岩本も苦笑いする他ない。

その間を立回る深澤が不憫な程である。

｢でも、花柳さんの台本、すんごい楽しみなんだよね。｣
｢さっくんもやっぱそう？｣
｢わかる、俺も楽しみ。｣

一方で、もう1組の幼なじみ佐久間京本コンビとSixTONESの松村も、ソワソワとしていた。

ライバルカンパニーだったとはいえ、花柳の脚本に魅力を感じているからこそである。