脚本家になってください (ページ25)

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ⅩⅩⅡ.Opus - Ⅱ ページ25

｢……照。｣
｢舘さん、どうした？｣
｢これはすごいよ、本当に。｣

岩本とのやり取りの後から15分後、読み終えた宮舘は興奮していた。
少なくとも、岩本が今まで見てきた中でも滅多にないほどである。

｢そこまで言う？｣
｢多分、照もびっくりすると思う。｣

冗談だろ、と半信半疑なのか、笑うようにして受け取って読んでいく。

ちょうど同じ頃、ようやく彼女は一段落付いたのかペンを置き、冷めた紅茶を啜っていた。
その時、宮舘からまじまじ見られているのに気づいたらしい。

｢何か変なことでも……？｣
｢いえ、あの……さっきの脚本なのですが。｣

宮舘は脚本の感想が言いたかったらしい。
ここがいいだとか、あの部分の解釈はこうでいいのか、など。
彼なりに思うところがあるらしく、感想だけではなく質問や疑問、意見をもぶつけていく。

それに対して花柳も頷きながらも、宮舘の疑問や意見を受け入れるだけでなく、反論したり答えたりしていく。

｢こんなに誰かと脚本のこと話したの、久しぶりかもしれない。｣

花柳は満足気に、そう呟いた。
清々しいほどで、ここに来た昨日今日の中で1番であると言ってもおかしくはない。

その言葉を聞いた宮舘は、再び口を開いた。

｢……俺、最初、疑ってたんですよ。

名声こそ知ってましたけど、本当に必要かって。事実なのかは実際公演見て見ればわかるので……。

でも ――――――――｣