王子と後輩たち。2[男主]

054.Side Naoki.F ページ7

僕のイメージではA先輩は"才能型"のイメージ。


ステージ裏で振り付けを確認する素振りもなくて、楽屋では基本的に外部のお仕事してたりゲームをしていたり。

でも、ステージの上では堂々とした佇まい。






あまり自主練して、とかそういうイメージはなかったかも。


でも、今の先輩は何かに追いつこうと必死で。
本当は努力の人なんだな、って思った。









｢直樹くんごめんね、遅くなっちゃったね。｣
｢全然、大丈夫です。むしろ僕こそお邪魔しちゃってすいません。｣



結局Aくんの自主練が終わったのはあれから2時間後。

"時間も時間だしぱっとどこかで食べて帰ろうか"と言われ、急遽ご飯に行くことになったんだけど……。








｢お金、いくらでした？｣
｢気にしなくていいよ。全然これくらい。｣
｢さすがに申し訳ないですし……｣
｢じゃあ俺が遅くまで残らせちゃったから、お詫びとして受け取って。｣
｢それは僕が残りたくて残っただけですし……｣




どうやっても、お金を受け取ることを了承してくれない。その上、困った顔で頭ポンポンされちゃった。

……A先輩って同性だけど、ずるいなって思う。そんな顔されたら、綺麗な顔だから見とれてしまうし、申し訳なくなっちゃうじゃないですか。





｢分かりました……｣
｢ふふ、ありがとう。｣




なんとなく、少し犬っぽくて新しい先輩の一面を覗いちゃった気分になった。

055.美 少年LINE ｰSide Taisho.Iｰ→←053.藤井直樹

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す