王子と後輩たち。2[男主]

064.松井奏 ページ17

｢Aくん！！｣

｢奏、どうした〜？｣

｢んふふ、なんとなく。｣






奏も、昔はこんなに大きくなかったのに気づいたら身長抜かされていた。
本人は不本意らしいけども、可愛らしいところとかはあまり変わっていない気がする。


ただ、昔はこんなに距離感近かったっけ……？


ISLAND TVの撮影中も何故か後ろからホールドするように抱きつかれたし、ココ最近事務所で会うとなんか肩に顎を乗せられてる。









｢とりあえず、ご飯食べたいんだけど。離そうね。｣

｢んじゃ、俺、隣失礼します。｣





奏が隣に座ると、ラウールを含めて何故かずるいとかいいなとか声が上がる。

いや、俺の隣に座ることくらいでそんなこと言う……？
しかも、奏においては勝ち誇った顔してるし。









｢いただきます。｣

｢いただきまーす。｣

｢……いいんですか？｣

｢もうあれは放置しておこう。｣




結局、争いを繰り広げる彼らを横目に、新くんを呼んであらみなサンドでご飯。
時間がもったいない。








｢奏、今日すごく嬉しそう。｣

｢……え？｣

｢んふふ〜。｣



ご機嫌な奏の理由を、新くんは知っているらしく"本当は尊敬する先輩にあげたいみたいなんですよね、奏"と話していた。







｢ね〜え〜！！あらた〜！！｣

｢可愛いなぁ……。｣







後輩の微笑ましい理由に、近いスキンシップもグイグイ来るところもまぁいっかと、許せてしまう気がした。

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