甘えたで、素っ気なくて、泣き虫で【橙】 (ページ5)

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MeMe *.

『康二さ、マジでめんどくさい(笑)』

『めぇめ！絶対に俺で遊んでるやろ！』

あのあと、

Aは顔を茹でタコのように真っ赤にして

“ もうからかわないでよ！バカ！ ” と、

なんとも可愛らしい台詞を残して帰って行った。

目の前で怒ってるこいつも、

ちょっとAを揶揄っただけで嫉妬丸出しで。

… 早く付き合えよ、なんて思う。

『康二さ、Aの気持ち… 気付いてんだろ？』

『… 知らへん』

『ほんと、そんなこと言ってるとどこの馬の骨かも分からない男にA取られるからな？』

『… 俺はAが幸せならそれでええの』

そんな泣きそうな顔で言っても説得力ねぇんだって。

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康二への好きが全面に溢れているAと、

Aを取られたくなくて常に嫉妬丸出しの康二。

Aは康二の気持ちを知らないと思うけど、

康二はAの気持ちに、絶対に気付いている。

康二が勇気出してAに告白すればお互いいい感じに収まるのに、何故かそうはいかない。

『康二がそんなん言うなら、俺がAを幸せにするけど』

『は、え、ちょ待ってぇや、え、めめ、そうやったん？』

Aに関することを言えばすぐタジタジになる。

『ねぇ康二、俺が幸せにしてもいい？』

『え… まじで？本気なん？』

康二の口から出る言葉を待てば、

『めめ、なら… Aを任せられるからええ、』

『けどっ！週5くらいで俺とAの時間があることを前提に付き合ってな！？』

『何それ、意味分かんねぇから。』

好きなら付き合えよ、早く。

もう２人のもどかしいというか、めんどくさい感じ見飽きたっての。

でも

この両片思いの２人の日常が変わる出来事が起きるなんて、

このときはまだ誰も思っていなかった。

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