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『雪野さんごめん、ここなんだけどさ、』
「あ、そこは去年の資料を見れば＿」
『ありがと、助かった』
勤務開始となれば、さっきとは全く違う顔を見せてくれる深澤さん。
テキパキ仕事をこなす姿はさすがだ。
んー、と顎に綺麗な指を添えながら考える姿もサマになってる。
『何度もごめん、関連のこの資料はどこにある？』
「えっと… これは5年前のものなので倉庫の方にありますね、私見てきましょうか？」
『いや、その倉庫って全部署共通の倉庫よね？』
「そうですね、第７倉庫です」
『んじゃ、俺行ってくる、ありがとね』
＿ 悪いけど、鍵の場所だけ教えてくんね？
深澤さんに鍵の場所を教えると、さんきゅと倉庫に向かって行った。
… 深澤さんは仕事モードの方がいいよ、絶対に。
私も部署内の鍵ロッカーの戸締りをして、デスクに戻ろうとしたときだった。
相変わらず不機嫌な康ちゃんに捕まる。
『今日の昼メシ3階のとこで食べよ』
「分かった」
ただそれだけ。
短い言葉を交わして終了。
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『雪野さん、さんきゅ、助かった』
「え、ちょ、いいですよ」
『いーから、俺があげたかっただけだし、受け取ってよ』
倉庫から帰ってきた深澤さんから、紙パックドリンクとマドレーヌを貰った。
… どっちとも私が好きなやつだ。
ありがとうございます、
とお礼を言って、引き出しの中にそっと終う。
深澤さんがこんな感じだと… なんか調子狂う。
そんなことを思いながら作業を進めていると、午前の業務終了を告げるチャイムが鳴った。
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作者名：うめ | 作成日時：2022年7月22日 7時
