Episode08.無償の愛 ページ8
「頭いた…」
夜中、3時頃、目が覚めて下の冷蔵庫に水を取りに行きキャップを開け口にした。
二日酔いなのか、頭が痛い。
物音がしてソファを見ると、お父さんが寝ていた。
パソコン作業をしてそのまま寝てしまったんだろう。
毛布をかけ、部屋に上がる。
そう言えば私、どうやって帰ってきたっけ。
「東がタクシー呼んでくれたのかな」
部屋に入り、ベッドに倒れこむ。
ペンギンの人形が私の隣にいてくれて安心する。
なんだか零君の顔に似てるんだよね、このペンギンちょっと不細工だけど。
「ちょっと無愛想な所かな」
ふふっと笑いながら、人形を抱きしめまた眠りについた。
♢
次の日の朝、二日酔いの私を察してか、お母さんがコンソメスープを出してくれた。
朝から身に染みる。
「昨日は零君と飲んでいたの?」
「え?違うよ、落し物課の飲み会だよ」
「あら…零君がAを送ってくれたのよ」
「…えええ!」
てっきり、東が送ってくれたものかと思っていた。
なんで零君が近くにいたのかが疑問だったけど、嬉しい、と思ってしまう。
「零君、本当に昔から優しいわよね」
「…昔は尖ってたよ。愛想笑いなんてしなかったのに」
駅の改札を通る時に、定期が鞄に入っていて、やっぱり昨日零君が送ってくれたんだと確信した。
とりあえず、かかるかわからないが、駄目元で電話をかけてみる。
何コール目かで留守電サービスに接続され、私は通話ボタンを切った。
「おい、A」
後ろから声をかけられ、振り向くと東だった。
何だか機嫌が悪そう。
「おはよう、東。昨日、飲み会ありがとうね、半分記憶ないんだけど」
「…お前、零君はやめといた方がいいぞ」
「東、零君に会ったの!?」
東はまぁな、と言ってエスカレーターに乗り私はその後に続く。
「Aのこと幸せにできねぇな、あれは」
「…私は零君の隣に入れるだけで幸せなの」
「零君もイケメンだけど俺の方がイケメンだな」
東はいつもの調子でからかってくるが、私は零君に会いたくて、電話の折り返しがないか電源を入れてみる。
まだ、その様な通知は来ていない。
“幸せ”
私はさっきの東の言葉が頭の中から離れなかった。
God Mother
アマレットの優しい味が特徴的なカクテル
意味は(無償の愛)
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柊(プロフ) - 小説読みました!!! 面白かったです!更新頑張ってください!! (2019年4月5日 22時) (レス) id: 9cb1ed3aee (このIDを非表示/違反報告)
黒猫(プロフ) - はじめまして!前作も読ませていただいていました!こちらのお話も素敵で大好きです!今後どうなっていくのか楽しみです。これからも応援しています♪ (2019年1月31日 12時) (レス) id: 43ab538aea (このIDを非表示/違反報告)
恋魔法ちゃん(プロフ) - RURUさん» コメントありがとうございます(*´-`)前作同様、応援してくださり大変感謝しております。 (2019年1月12日 14時) (レス) id: f14e05799e (このIDを非表示/違反報告)
RURU(プロフ) - 前回の小説も読ませてもらいました!今回の作品もとても楽しみに待ってました!!これからも頑張って下さい! (2019年1月6日 14時) (レス) id: b7492cc28b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:恋魔法ちゃん | 作成日時:2019年1月5日 10時