Episode06.会いたい ページ6
今日は、もうお父さんが既に出勤していたから、電車で通勤することにした。
いつもの定期がなくて、家に忘れたかな、と自腹で払う。
「A」
ホームで並んで電車を待っていると名前を呼ばれた。
振り返ると、東がおはよう、と言って隣に並ぶ。
「おはよう。いつもこの時間なの?」
「まぁな。早く出た方が電車が空いてるから、乗りやすいだろ」
「…空いてるかな?」
並んでいる人数を見ると、空いているとは言い難い。
この線はいつも混んでいる。
「そういえば、落し物課の連中で飲み会があるぞ。行こうぜ」
「飲み会かぁ。うん、行く」
そんな話をしていると電車が来て、ぎゅうぎゅうの満員電車が出来上がった。
周りの人に押されてしまい、身動きが取れなくなっていると、東が引っ張ってくれて少し空間のある所に移動させてくれる。
「ありがとう、東」
「気をつけろよ。お前みたいな奴でも痴漢されるぞ」
いつも憎まれ口を叩く東だが、私の近くに人が来ないよう、腕でスペースを作ってくれるから優しい。こういうところが人気な理由の1つなんだろうけど。
警察庁の最寄駅で降りる。
やっと外の空気が吸えて、私は深呼吸をした。
外気が心地いい。
いつも通り、落し物課のデスクに座り、事務作業をこなした。
電話対応、書類整理、来客の対応、その繰り返しのルーティン作業を私はする。
「はぁ…零君…」
今日はいるのかなぁ。
それともポアロかな。
零君がポアロには、女性の店員さんと一緒に働いていると言っていた。
「浮気者」
零君カッコいいんだから自覚持ってよ…
なんて、私が嫉妬する権利はない。
だって彼の彼女でもなんでもないから。
休憩時間、零君からの着信履歴があって私はすぐに折り返しの電話をかけた。
「昨日、車に定期落としてるだろ?いるようなら今日届けるよ」
「零君の車にあったんだね!会いたい!…あ、今日は課の飲み会に行くって言っちゃった…」
「…なら明日にでも届けるよ」
飲み会、行かなきゃ良かった。
折角、零君に会えると思ったのに…
でも少しだけ、電話で話せたことが嬉しくて。
携帯の電源を再び切り、仕事に戻った。
Cablegram
ジンジャーエールを使い、やや甘口で飲みやすく仕上がっている
意味は(会いたい)
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柊(プロフ) - 小説読みました!!! 面白かったです!更新頑張ってください!! (2019年4月5日 22時) (レス) id: 9cb1ed3aee (このIDを非表示/違反報告)
黒猫(プロフ) - はじめまして!前作も読ませていただいていました!こちらのお話も素敵で大好きです!今後どうなっていくのか楽しみです。これからも応援しています♪ (2019年1月31日 12時) (レス) id: 43ab538aea (このIDを非表示/違反報告)
恋魔法ちゃん(プロフ) - RURUさん» コメントありがとうございます(*´-`)前作同様、応援してくださり大変感謝しております。 (2019年1月12日 14時) (レス) id: f14e05799e (このIDを非表示/違反報告)
RURU(プロフ) - 前回の小説も読ませてもらいました!今回の作品もとても楽しみに待ってました!!これからも頑張って下さい! (2019年1月6日 14時) (レス) id: b7492cc28b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:恋魔法ちゃん | 作成日時:2019年1月5日 10時