Episode03.見つめていたい ページ3
警備企画課、とかかれた扉に2回ほど、ノックをしてドアノブを引いた。
「おはようございます。先程、お電話した落し物課の(人1)です」
かしこまっていても、警備企画課の人とは仲がいい。
お父さんの娘だからか可愛がってもらっている。
「お、Aちゃん、おはよう」
「お菓子あげるよ」
早速餌付けさせられているが、私の目的は零君。
「零君いますか?」
「お、Aちゃん鋭いね。今日はいるよ。おーい!降谷!嫁が来たぞ!」
その呼び声にコピー機からひょっこり頭を出した零君。
私を見るとため息をついてこちらに来た。
「A…またお菓子もらいに来たのか」
「零君に会いに来たの!」
「俺は仕事中なんだ」
「あ、そう。私もこの書類持って来たの」
零君が冷たくかわすのは慣れている。
書類を零君に渡すとその鑑定書をよく読んだ。
カッターの袖をまくり、真剣な顔の零君にドキドキした。
「あとはこっちで処理するよ」
「零君、デートしよう」
「A、いい加減に」
「だってもうすぐ私の誕生日なんだよ…」
その言葉に反応した零君。
「わかったよ…これからポアロの仕事があるから、終わってからなら」
「ほんと?!終わったら連絡してね!あ、浮気しちゃダメだよ!」
そう言って私は警備企画課から出た。
誕生日なんてどうでもいいけど、私との小さい頃の約束を守ってくれる零君が優しくて。
♢
「お疲れ様でした」
更衣室でお化粧直しをして髪を巻く。
巻いている途中、着信音が聞こえ、零君と表示されている。
「零君、お疲れ様!」
「まだ警察庁だろ?迎えに行くよ」
「うん、待ってるね」
電話を切り、コテとアイロンの電源を落とし、ロッカーにしまう。
香水を軽くつけて、更衣室を出た。
警察庁を出るとRX-7が見えて私は駆け寄る。
「どこ行きたい」
乗り込むとナビを操作する零君。
「うーん。零君の部屋」
「却下だ」
「じゃあ、プレゼントは零君で」
「水族館でいいか」
零君が東都水族館にナビを合わせて、夜の首都高を走る。
「A、寝てていいよ」
「眠くないよ。零君と一緒にいるのに寝るなんて勿体ないもん」
彼は笑った。
警察庁にいる時の彼は厳しいけど、2人の時はそうでもないんだよね。
首都高の向こうがビルの電気の灯りでキラキラしていて綺麗だった。
Pink Squirrel
アーモンドを主原料とするリキュール.クレーム・ド・カカオと相性がよく、口当たり滑らかな甘口カクテル
そんなカクテルの意味は(見つめていたい)
Episode04.隠せない気持ち→←Episode02.天真爛漫
145人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
柊(プロフ) - 小説読みました!!! 面白かったです!更新頑張ってください!! (2019年4月5日 22時) (レス) id: 9cb1ed3aee (このIDを非表示/違反報告)
黒猫(プロフ) - はじめまして!前作も読ませていただいていました!こちらのお話も素敵で大好きです!今後どうなっていくのか楽しみです。これからも応援しています♪ (2019年1月31日 12時) (レス) id: 43ab538aea (このIDを非表示/違反報告)
恋魔法ちゃん(プロフ) - RURUさん» コメントありがとうございます(*´-`)前作同様、応援してくださり大変感謝しております。 (2019年1月12日 14時) (レス) id: f14e05799e (このIDを非表示/違反報告)
RURU(プロフ) - 前回の小説も読ませてもらいました!今回の作品もとても楽しみに待ってました!!これからも頑張って下さい! (2019年1月6日 14時) (レス) id: b7492cc28b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:恋魔法ちゃん | 作成日時:2019年1月5日 10時