Episode15.優しい慰め ページ15
「本当ですか?嬉しいなぁ」
そう言って夢原さんは笑った。
私も微笑むと、夢原さんは私に小指を差し出す。
「約束、です」
「…約束」
私はその小指に自分の指を絡めて、指切りをした。
*
「おい、お前の父ちゃんなんで仕事してねぇんだよ!」
小学生の頃、私は“両親の仕事”という作文を読んだ時、お父さんが公安警察であることを言ってはいけないと言われた。
だからお父さんは仕事をしていない、だから母がピアノ教室の先生だと言った。
そうしたら一部の男子からからかわれた。
「私の作文、返してよ!!」
「へへ、やだね。お前の父ちゃん、むーしょーく!」
教室のど真ん中でからかわれて、私は悔しかった。
私のお父さんは警察官なのに…。
「返せよ!卑怯者!」
私が泣いていると私の前に、ヒーローが立っていた。
「れ、れいくん…」
「あ?なんだよ、降谷」
「Aの父さんが何の仕事してようがお前らには関係ないだろ!」
零君より何倍も大きな体格を持った同級生に零君は、生意気だと殴られた。
「れいくん!暴力はいけないんだよ!」
「お前もいちいち降谷を庇ってうざいんだよ!」
そう言って殴られそうになった時、零君はその小さな身体で同級生の拳を受け止めた。
「Aは殴んな!」
そんな彼を私は一生好きになろうと決めた。
どんな時でも、彼のそばにいて、私はこれから零君を守ってあげようと思った。
だから、いつも零君のそばに居たくて、必死に慣れない事に努力と時間を費やしたし、彼のために私は強くなろうとも、思った。
「れいくん、私ね、零君のこと大好きだからずっと一緒にいてもいい?」
零君は恥ずかしそうに、いいよ、と言った。
「じゃあ、私、零君のことずっと好き!約束」
「そんなん約束するもんじゃ…」
「するの!はい!」
彼は困ったように小指を絡め、指切りげんまんをする。
それが私と彼の初めての約束だった。
*
「約束って、破っちゃいけないですよね…」
「そうですね。でも、辛かったら破っていいんじゃないでしょうか」
「え…」
思わぬ返答が返ってきて、びっくりした。
「だから、この約束もAさんが辛ければ破っていいんですよ」
彼の優しさが、陽だまりみたいでポカポカして暖かく、心地よかった。
Belmont
甘みのある舌触りの良いオシャレなカクテル
意味は(優しい慰め)
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柊(プロフ) - 小説読みました!!! 面白かったです!更新頑張ってください!! (2019年4月5日 22時) (レス) id: 9cb1ed3aee (このIDを非表示/違反報告)
黒猫(プロフ) - はじめまして!前作も読ませていただいていました!こちらのお話も素敵で大好きです!今後どうなっていくのか楽しみです。これからも応援しています♪ (2019年1月31日 12時) (レス) id: 43ab538aea (このIDを非表示/違反報告)
恋魔法ちゃん(プロフ) - RURUさん» コメントありがとうございます(*´-`)前作同様、応援してくださり大変感謝しております。 (2019年1月12日 14時) (レス) id: f14e05799e (このIDを非表示/違反報告)
RURU(プロフ) - 前回の小説も読ませてもらいました!今回の作品もとても楽しみに待ってました!!これからも頑張って下さい! (2019年1月6日 14時) (レス) id: b7492cc28b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:恋魔法ちゃん | 作成日時:2019年1月5日 10時