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Episode13.振り向いてください ページ13

「零君の料理、久しぶりだなぁ」

夜、テーブルには零君の手料理が置かれ、ピカピカ光る宝箱のように眩しい。
零君は料理上手で、警察学校時代も人気だった。

零君は幼馴染でもあって、前まではよく私の家で皆で料理を食べていたけど、最近は忙しくて中々食べれない。

「お母さん、零君に会えなくて寂しがってるよ」
「またお邪魔させてもらうよ」

彼の所作は見ていてうっとりするほど美しい。
子どもの頃はヤンチャだったのに、こうまで落ち着くものなのか。

「これで零君の仕事、一個、秘密知れたね」
「Aが幼馴染で(人2)さんの娘じゃなければ言っていないよ」
「なら、あの場も見過ごしてたってこと?」

零君はその問いには答えてくれなかった。
零君が公安に所属した時、私はお父さんが言っていた言葉を思い出す
公安の正義は、難しい正義だと。
1人の国民の命は時には犠牲にしてでも、守らなければならない正義があると。



「零君、泊まっていけばいいのに」

彼を玄関で見送る。
零君は明日も仕事があるから、と言って帰っていく。
明日も忙しいのに私が落ち込んでることを予想して、飛んで来てくれる零君はヒーローのようだ。

1人になった家で私はさっきまで座っていた零君の席を見つめる。
零君がいなくなったらすごく寂しい空間に早変わりして、何も変わっていないのに。

その時、両親から電話がかかってきてお父さんが今日の事件を心配していた。
零君が連絡を入れてくれたみたい。

「明日、出かけるから用意しておいてほしいんだ」

お父さんはそう言った。

「どこにいくの?」

旅行から帰って来て、すぐにお出かけとはアクティブな親。
でもお父さんは言いにくそうにして

「…お見合いだ」

そう言った。
お見合い?それはつまり、私が結婚を前提に男性と会うことだよね。

「お断りします。私には零君がいるもの」
「その零は、応援していたよ」

電話をした時に、お父さんはお見合いの件を伝えたらしい。
それで零君は、幸せになって欲しいと話したとお父さんが言った。
電話を切り先程までの幸せな時間が壊れていく。

「零君…」

私はこんなに大好きなのに、どうしたら零君の心を奪えるのか、振り向いてくれるのか分からなかった。






Apricot Fizz
アプリコット・ブランデーの甘い香りで、さっぱりとした口当たりが特徴のカクテル
意味は(振り向いてください)

Episode14.心はいつも君と→←Episode12.隠せない気持ち



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設定タグ:安室透 , 降谷零 , 名探偵コナン   
作品ジャンル:アニメ
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(プロフ) - 小説読みました!!! 面白かったです!更新頑張ってください!! (2019年4月5日 22時) (レス) id: 9cb1ed3aee (このIDを非表示/違反報告)
黒猫(プロフ) - はじめまして!前作も読ませていただいていました!こちらのお話も素敵で大好きです!今後どうなっていくのか楽しみです。これからも応援しています♪ (2019年1月31日 12時) (レス) id: 43ab538aea (このIDを非表示/違反報告)
恋魔法ちゃん(プロフ) - RURUさん» コメントありがとうございます(*´-`)前作同様、応援してくださり大変感謝しております。 (2019年1月12日 14時) (レス) id: f14e05799e (このIDを非表示/違反報告)
RURU(プロフ) - 前回の小説も読ませてもらいました!今回の作品もとても楽しみに待ってました!!これからも頑張って下さい! (2019年1月6日 14時) (レス) id: b7492cc28b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:恋魔法ちゃん | 作成日時:2019年1月5日 10時

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