Episode12.隠せない気持ち ページ12
その後、警察が男2人を逮捕し、一件落着となり私は人々から拍手され感謝されたが、1日署長は中止になり、マネージャーさんの車で家まで送ってもらう。
マネージャーさんの車を見送り、今日は2人で旅行に行った両親のいない家の鍵を開けると後ろから声がした。
「避けるにしても受身がなってなくてフラフラだった。警察学校から体技は全然変わってないな」
「零君…」
私は零君にコーヒーを出し、ソファに座った。
「私、警察失格だよね…撃てなかった」
「撃たなくていいさ。Aの行動は勇気ある行動だったからこそ、あの場にいた人達がAを讃えていたんだ」
零君はいつも私のできなかった部分や、失敗した時は慰めてくれる。
「でも…零君がいなかったらあの子は殺されていたかもしれない」
でも一人の人間を殺していたかもしれない。
そう思うと、私が背負っていたあのトリガーの重みを思い出して恐怖で手が震えた。
「私は…」
彼はいつのまにか、私の目の前に膝まづいて私の手を握った。
「Aのこの手は、綺麗だ。その役目は僕の仕事だと、約束しただろ」
零君は私の知らない所で、どれほど手を汚しているんだろう。
働いている場所は同じなのに、彼が遠い存在の気がして
「零君の手だって綺麗だよ。昔からいつも守ってくれたから…」
そう言うと彼は私の頭を優しく撫でてくれた。
「…ん?待って、どうしてポアロに零君がいたの?」
「僕の潜入先の1つだよ。わかってると思うが、警察庁の奴らには言うなよ」
「ウェイトレスの零君ってこと?」
「あぁ」
私がポアロに入って来た所から厨房に篭っていたらしいが、私の窮地で出て来てくれたらしい。
「…若い女の店員さんとよろしくやってるってこと?」
「嫉妬なんてしなくても、梓さんとは潜入先の同僚だよ」
彼は呆れながら笑い、夕飯を作ると言って台所に立った。
ポアロのバイトもあの一件で、閉店したらしく、それでわざわざ私に会いに来てくれたんだ。
「零君」
私がそう言うと彼はこちらを見た。
「大好き」
私がそう言うと彼は口角を上げ、困ったように笑った。
零君、大好きだよ。
Vodka Gibson
ウォッカをベースに、爽やかでドライなテイストのカクテル
意味は(隠せない気持ち)
Episode13.振り向いてください→←Episode11.あなたを守りたい
145人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
柊(プロフ) - 小説読みました!!! 面白かったです!更新頑張ってください!! (2019年4月5日 22時) (レス) id: 9cb1ed3aee (このIDを非表示/違反報告)
黒猫(プロフ) - はじめまして!前作も読ませていただいていました!こちらのお話も素敵で大好きです!今後どうなっていくのか楽しみです。これからも応援しています♪ (2019年1月31日 12時) (レス) id: 43ab538aea (このIDを非表示/違反報告)
恋魔法ちゃん(プロフ) - RURUさん» コメントありがとうございます(*´-`)前作同様、応援してくださり大変感謝しております。 (2019年1月12日 14時) (レス) id: f14e05799e (このIDを非表示/違反報告)
RURU(プロフ) - 前回の小説も読ませてもらいました!今回の作品もとても楽しみに待ってました!!これからも頑張って下さい! (2019年1月6日 14時) (レス) id: b7492cc28b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:恋魔法ちゃん | 作成日時:2019年1月5日 10時