Episode02.天真爛漫 ページ2
警察庁には遺失物が沢山届けられるんだけど、預かるのは大金が入っている財布や、危険物と思われるもので、それ以外は警視に送ることになっている。
「あ、風見さん」
落し物課から館内を眺めていると、風見さんが入ってくるのが見えた。
いつもと変わらず仏頂面。
ただ、風見さんが警察庁に来る＝零君が出勤している可能性が高い。
零君は訳あって、ポアロというカフェでもバイトしている。
でも公安警察の規定上、仕事内容は詳しく教えてくれないし、ただ偽名を使って働いていることくらい。
風見さんがエレベーター待ちをしている所を見ていると、後ろからファイルで頭を軽く叩かれて、後ろを振り向く。
「何すんのよ！ばか東！」
東 晶馬(アズマ ショウマ)。
同期で、落し物課に所属している。
同じ課、他の課問わず、イケメンで人気の東。
でも私は全然、こいつがかっこいいと思ったことはない。
「そんなアホ面下げてカウンターに入られると来客が怖がるだろ」
悪戯っぽく笑う東。
根はいい奴だけど、私をからかって来るのが気に喰わない。
でも、東は私と対等にいてくれる。
「(人1)さん…」
「はい！」
「あ、あの、この書類の整理をお、お願いできますか」
私の父が(人1)(人2)なのは全職員が知っていて、その娘が落し物課に所属する時は噂の的だった。
その噂が良くも悪くも、何故か私よりも先輩がペコペコして来るし正直、嫌気がさしていた時、東だけは私を対等に扱ってくれた。
「おい、A、今の人って警視庁の風見さんだろ。仏頂面だな」
「うん。仏頂面だけどいい人だよ」
「知り合い？」
「うん、まぁ、ちょっとね」
エレベーター付近をもう一度見たが、もう風見さんはいなかった。
零君に会いたいなぁ。
そんなことを考えていると、落し物課がザワザワし始める。
「昨日のトランクの落し物、鑑定した結果、大麻の反応が陽性だったの」
女性職員が鑑定結果の紙を皆の前に見せる。
「公安警察行きだな。とりあえず、この書類を警備企画課に持っていこう」
「私行ってきます！」
私は手を挙げた。
「そうね。(人1)さんお願いできるかしら」
「任せてください！」
私の愛おしい降谷零は警備企画課の人間。
会える、会えるぞ！
「行ってきまぁす！」
張り切って階段を降り、その書類を握りしめ、警備企画課へ足を進めた。
Florida
オレンジの香り華やかで、レモンの酸味が見事にバランスした味わい
そんなカクテルは(元気)の意味を持っている。
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柊(プロフ) - 小説読みました！！！ 面白かったです！更新頑張ってください！！ (2019年4月5日 22時) (
レス) id: 9cb1ed3aee (このIDを非表示/違反報告)
黒猫(プロフ) - はじめまして！前作も読ませていただいていました！こちらのお話も素敵で大好きです！今後どうなっていくのか楽しみです。これからも応援しています♪ (2019年1月31日 12時) (レス) id: 43ab538aea (このIDを非表示/違反報告)
恋魔法ちゃん(プロフ) - RURUさん» コメントありがとうございます(*´-`)前作同様、応援してくださり大変感謝しております。 (2019年1月12日 14時) (レス) id: f14e05799e (このIDを非表示/違反報告)
RURU(プロフ) - 前回の小説も読ませてもらいました！今回の作品もとても楽しみに待ってました！！これからも頑張って下さい！ (2019年1月6日 14時) (レス) id: b7492cc28b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：恋魔法ちゃん | 作成日時：2019年1月5日 10時
