Episode56.BOTTLE GOURD ページ6
ご飯が終わり、私は洗い物をすませるともう一度椅子に座らされ、零君が話し始めた。
「本題に入るが、A、今日から隣に住む風見と水瀬だ」
「…はい…えっと、お二人はご夫婦で？」
私は疑問に思い、二人にそう聞くと風見さんが答える前に水瀬さんが睨んで言った。
「そんなわけないでしょ！仕事よ。あんまり詳しく言えないけど、3人で潜入調査するの」
なんでも、とある夫婦(近所)を見張り情報を得る仕事があるらしく、風見さんと水瀬さんが夫婦役に抜擢されたようだ。
「なんで私が風見さんとなの？零と夫婦役が良かったわ」
「わがまま言うな」
何だかんだ言って仲よさそうだけど、それにしても夫婦役で男女同じ部屋で寝泊まりするって潜入調査だとしても凄い。
誇りを持って彼らが仕事をしていることが伝わった。
でも、私が入れない境界線がきっぱりと引かれている。
全部教えてくれるわけではない。
「今日はこれくらいで失礼します」
風見さんがそう言い、私に向かってご馳走さまでした、と頭を下げた。
「いえ…お粗末様でした」
私が謙遜をすると、駄々をこねる水瀬さんを強引に引っ張って玄関でやっと2人になった。
まるでさっきの騒がしさが嘘みたいに私と零君の間に沈黙が流れる。
「さて」
零君はそう言って私に近づき、少し怒っている零君から後ずさりをする。
逃げ場がなくなった時、零君は壁に手をつき私を閉じ込める。
「あんな姿、誰が他の人に見せていいと言った？」
あんな姿、とはさっきのブラウス1枚の姿のことだろう。
やっぱり怒っていたんですね。
「ごめんなさい」
笑っていても威圧がすごくて、声が震える。
「水瀬ならまだしも風見に見られるとは不覚だったよ」
「零君、でも風見さんだって見てもなんの得にもなりませんよ」
「…煽ってるのか？」
私が馬鹿な事を言ってしまったばっかりに、彼の最後のスイッチを押してしまったみたい。
彼は私に口づけ、綺麗で大きく冷たい手が私の服のボタンを器用に外していく。
「安室さんっ待って…」
「安室？」
前までずっと彼は安室透だったから、その癖でたまに呼んでしまう。
それが今出てしまったけど、いつもなら懐かしんで笑ってくれるのに今はそんな余裕が彼にはない。
「零君、ごめんなさい」
私の謝罪も虚しく、彼は私を自分のものにしていく。
その過程を私は素直に感じ、彼の愛撫に酔いしれた。
BOTTLE GOURD／夕顔(夜の逢瀬)
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恋魔法ちゃん(プロフ) - red cherryさん» ありがとうございます。次作も必ず、面白い作品となるよう善処致します！ (2019年1月12日 14時) (
レス) id: f14e05799e (このIDを非表示/違反報告)
恋魔法ちゃん(プロフ) - ゆいさん» コメントありがとうございます(^ ^)何度も読み返したい、と思ってくださる作品を創り上げられたことを大変うれしく思います。 (2019年1月12日 14時) (レス) id: f14e05799e (このIDを非表示/違反報告)
red cherry(プロフ) - 完結おめでとうございます！この作品とても好きでした！次作もおもしろそうなので楽しみです (2019年1月7日 23時) (レス) id: 99383d6c30 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 完結おめでとうございます！最後までハラハラドキドキで。結末もえぇ、生きてたん？！みたいに驚かずを得ませんでした笑本当に最高でした！何回も読み返しますねw (2019年1月7日 2時) (レス) id: 11877b3e5f (このIDを非表示/違反報告)
恋魔法ちゃん(プロフ) - キリさん» コメントありがとうございます(^ ^)長らくご愛読いただき、本当にありがとうございます。コメントのお言葉が本当に嬉しくて嬉しくて、とても励みになります(*´-`)これからも贔屓によろしくお願いします。 (2019年1月6日 23時) (レス) id: f14e05799e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：恋魔法ちゃん | 作成日時：2018年12月3日 22時
