Episode95.WHITE CARNATION ページ45
「(人2)ちゃん、これはダメっ」
「まんまぁ」
今日は(人2)ちゃんの1歳の誕生日。
時が過ぎるのが早くて、目紛しい1年だった。
「そんな顔してもだめっ」
「うぅ〜」
(人2)ちゃんをベビーカーに乗せ、ハロちゃんと外に出た。
公園のベンチに座り(人2)ちゃんの写真を撮り、零君に送る。
前みたいに送る頻度は減ったけれど、続いているメッセージ。
「今日は、新しい服で公園までお散歩です。(人2)ちゃんが最近よく喋るようになってきて、零君の頭の良さを引き継いでいるような気がして、鼻高々です。と、送信」
(人2)ちゃんが眠たそうにしていたので、今日はもう帰ることにした。
「お帰りぃ、(人2)ちゃん」
お母さんが頻繁に来てくれて育児を手伝ってくれることが何よりも救いだ。
ただ孫バカが過ぎて、何でも買ってくるところが難点。
「明日仕事でしょう。ゆっくりしてなさい」
「ありがとう」
お母さんが夕食を作ってくれるらしく、(人2)ちゃんを寝かしながらその可愛い寝顔を見つめる。
赤ちゃん特有のミルクの匂いが私の鼻腔をくすぐって、幸せだなぁと感じた。
「あ、送っておこう」
こんな可愛い(人2)ちゃんを写真におさめないのはもったいない。
すぐに写真に撮り、零君に送った。
「え…」
私は目をこすった。
寝ぼけているのか、と思って起き上がって目を何度も強く瞑りもう一度画面を見る。
間違いなく、今まで送った全てのメッセージの隣に“既読”の文字が付いていた。
私はお母さんに(人2)ちゃんを頼み、家を出る。
何のあてもなく走っているとすれ違った車から水瀬さんの声がした。
「Aさん！！」
その声に私が止まり振り返る。
後部座席のドアが開き、幽霊が姿を現した。
「…零君…」
どうして零君が、この地に立っているのか。
幽霊なのか、疲れすぎて幻覚を見ているのか、どれもこれもハズレだ。
「A」
名前を呼ばれる前に私は彼の元へ走り、彼を抱きしめる。
どうして貴方がここにいるのか、そんなことどうでもいい。
「零君、おかえりなさい」
震えた声でそう伝えた。
零君は死んでも離さない、と言って私の背中に手を回し力強く抱きしめる。
「A、よく頑張ったな」
彼の声や匂いが、遺書を読んだ時から止まっていた時間が再び流れ始めた。
WHITE CARNATION／ホワイトカーネーション(私の愛は生きています)
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恋魔法ちゃん(プロフ) - red cherryさん» ありがとうございます。次作も必ず、面白い作品となるよう善処致します！ (2019年1月12日 14時) (
レス) id: f14e05799e (このIDを非表示/違反報告)
恋魔法ちゃん(プロフ) - ゆいさん» コメントありがとうございます(^ ^)何度も読み返したい、と思ってくださる作品を創り上げられたことを大変うれしく思います。 (2019年1月12日 14時) (レス) id: f14e05799e (このIDを非表示/違反報告)
red cherry(プロフ) - 完結おめでとうございます！この作品とても好きでした！次作もおもしろそうなので楽しみです (2019年1月7日 23時) (レス) id: 99383d6c30 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 完結おめでとうございます！最後までハラハラドキドキで。結末もえぇ、生きてたん？！みたいに驚かずを得ませんでした笑本当に最高でした！何回も読み返しますねw (2019年1月7日 2時) (レス) id: 11877b3e5f (このIDを非表示/違反報告)
恋魔法ちゃん(プロフ) - キリさん» コメントありがとうございます(^ ^)長らくご愛読いただき、本当にありがとうございます。コメントのお言葉が本当に嬉しくて嬉しくて、とても励みになります(*´-`)これからも贔屓によろしくお願いします。 (2019年1月6日 23時) (レス) id: f14e05799e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：恋魔法ちゃん | 作成日時：2018年12月3日 22時
