Episode54.LAVENDER ページ4
「A、今日、会社は休み?」
「はい!有給だそうでラッキーですね」
3日程、元社長逮捕の件で会社を休みにするらしいので私は主婦業に専念。
零君が掃除を始める準備をしている私の後ろから抱きしめる。
今日も警察庁に行くみたいで、スーツ姿だ。
「零君…」
身体が私より大きいのに、何故か弱々しくまるで子どものように見える。
私も彼を包み込む。
そして彼は行ってきます、と言ってキスを落とした。
この時間がどれだけ幸せだろう。
前は、彼がいない時間を必死に考えて忘れようとしていた。
「ハロちゃん、お散歩行こっか」
私がハーネスの用意をするとハロちゃんは嬉しそうに尻尾を振った。
ハロちゃんはなんでも零君が拾ったんだとか。
「よかったねぇ。良い飼い主さんに拾われて」
私が撫でると、ハロちゃんは私の頰を舌で舐めた。
ハロちゃんなりの愛情表現。
家を出て、いつもの散歩コースを歩く。
休みの日くらいしか朝には散歩ができないのでハロちゃんも喜んでくれている筈。
♢
お昼過ぎ、掃除も完璧に終わり、布団を干す。
彼のベッドで2人で寝ている私はいつも零君の匂いに包まれているような感覚だ。
少し汗をかいてシャワーを浴びる。
今、洗濯を欲していてパジャマがない。
そう言えば、と、前に彼が1枚くれたブラウスを着た。
「零君の匂い…」
彼の身長は高いので彼のブラウスを着るとブカブカでワンピースのようになった。
前に一度着た時、彼にすごく好評だったことを思い出す。
洗濯物を取り込んでいると、もう16時で夕飯の準備に取り掛かる。
野菜を切っていると、携帯の着信音が鳴った。
そこには新しく登録した“降谷 零”の文字。
「A、もうすぐ家に着くよ」
「今日、早いんですね」
「事情は後で話すよ」
そう言って電話を切り、私は急いで準備をする。
少しするとインターホンが鳴った。
零君が帰ってきたみたいだ。
私は急いで鍵を開け、ドアを開くとそこにいたのは零君じゃない
「は?!」
「…」
風見さんと昨日の女性、水瀬さん。
私、今ブラウス一枚だったことを完全に忘れていて、気付いた時には風見さんと同じくらい顔が真っ赤になった。
LAVENDER/ラベンダー(突然訪れた静寂)
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恋魔法ちゃん(プロフ) - red cherryさん» ありがとうございます。次作も必ず、面白い作品となるよう善処致します! (2019年1月12日 14時) (レス) id: f14e05799e (このIDを非表示/違反報告)
恋魔法ちゃん(プロフ) - ゆいさん» コメントありがとうございます(^ ^)何度も読み返したい、と思ってくださる作品を創り上げられたことを大変うれしく思います。 (2019年1月12日 14時) (レス) id: f14e05799e (このIDを非表示/違反報告)
red cherry(プロフ) - 完結おめでとうございます!この作品とても好きでした!次作もおもしろそうなので楽しみです (2019年1月7日 23時) (レス) id: 99383d6c30 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 完結おめでとうございます!最後までハラハラドキドキで。結末もえぇ、生きてたん?!みたいに驚かずを得ませんでした笑本当に最高でした!何回も読み返しますねw (2019年1月7日 2時) (レス) id: 11877b3e5f (このIDを非表示/違反報告)
恋魔法ちゃん(プロフ) - キリさん» コメントありがとうございます(^ ^)長らくご愛読いただき、本当にありがとうございます。コメントのお言葉が本当に嬉しくて嬉しくて、とても励みになります(*´-`)これからも贔屓によろしくお願いします。 (2019年1月6日 23時) (レス) id: f14e05799e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:恋魔法ちゃん | 作成日時:2018年12月3日 22時