Episode53.ANEMONE ページ3
THE ETERNAL TRIANGLE 編
「ただいま」
零君が帰って来て、私はおかえりなさいと涙目で伝える。
「どうかしたのか?」
ソファに座って私を膝の上に乗せ、彼は笑ってくれた。
その笑顔でどれだけ私が救われるかきっと零君は知らないんだろうな。
「…ぬいぐるみ取られちゃったんです」
その言葉に一瞬時が止まる零君。
私は事の成り行きを説明すると思い出したかのように零君は私の頭を優しく撫でる。
「やっぱりあの会社、Aの会社だったんだね。その事件、公安が担当してるんだよ」
「…ならあの人達って零君の同僚さんですか?」
「そうだね。で、女の人が意地悪言ってきた、と」
「だってぬいぐるみなんて関係ないのに取られちゃったんですよ!」
零君は楽しそうに笑った。
何が面白いのか私にはわからなかったけれど、零君が笑ってくれているならいいか、と思う。
「明日、僕が持って帰るよ」
「本当ですか?」
「あぁ。だから、泣かないで」
そう言って私の唇にキスを落とす、まるで王子様。
その行為に顔が真っ赤になって見られたくなくて、お風呂を沸かしてくると言ってその場から逃げた。
「それにしても、あの女の人も公安の方なんですか?」
ご飯を食べながら彼に質問してみる。
「あぁ。僕の部下だよ」
女の人でも公安警察なんて、かっこいいな。
一般人の知識だが、グーグル先生に頼って公安警察のことは調べた。
だから公安警察がふつうの警察の人との仕事が違うことも理解した。
「喋り方はキツいけどいい子だよ」
「そうなんですね」
私は何事もないようにご飯を一口食べ進めた。
今更だが、零君のことを好きにならない女性なんているんだろうか。
同僚で、零君のことをよく知っているその女性なら尚更。
「大丈夫だよ。水瀬はただの部下だから」
まるで私の心を読んだように、彼は言った。
零君は
「Aしか見てないよ」
次は私の目を見て言った。
嗚呼、反則。
ANEMONE/アネモネ(三角関係の序章)
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恋魔法ちゃん(プロフ) - red cherryさん» ありがとうございます。次作も必ず、面白い作品となるよう善処致します! (2019年1月12日 14時) (レス) id: f14e05799e (このIDを非表示/違反報告)
恋魔法ちゃん(プロフ) - ゆいさん» コメントありがとうございます(^ ^)何度も読み返したい、と思ってくださる作品を創り上げられたことを大変うれしく思います。 (2019年1月12日 14時) (レス) id: f14e05799e (このIDを非表示/違反報告)
red cherry(プロフ) - 完結おめでとうございます!この作品とても好きでした!次作もおもしろそうなので楽しみです (2019年1月7日 23時) (レス) id: 99383d6c30 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 完結おめでとうございます!最後までハラハラドキドキで。結末もえぇ、生きてたん?!みたいに驚かずを得ませんでした笑本当に最高でした!何回も読み返しますねw (2019年1月7日 2時) (レス) id: 11877b3e5f (このIDを非表示/違反報告)
恋魔法ちゃん(プロフ) - キリさん» コメントありがとうございます(^ ^)長らくご愛読いただき、本当にありがとうございます。コメントのお言葉が本当に嬉しくて嬉しくて、とても励みになります(*´-`)これからも贔屓によろしくお願いします。 (2019年1月6日 23時) (レス) id: f14e05799e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:恋魔法ちゃん | 作成日時:2018年12月3日 22時