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Episode43.JUST IN CASE ページ43

トラブルがあったため、乗客全員が最寄駅で降ろされ私はため息をつく。
少年探偵団の皆とは別れ、1人ゆっくり帰ることにした。
とりあえず改札を通りすぐそこの売店でアイスを買い食べて、こんがらがっている頭を冷やすように冷たさを感じながら食べる。

「あれ、A?」

間違えるはずもないその声は勿論

「安室さん…」

私がここにいるのが不思議で堪らない様だ。

「どうしてここに?まさかベルツリー急行に?」
「は、はい。たまたま朝霧先輩からチケットを貰って」

安室さんは少し黙った。
何を考えているのかはわからないが、私に誤魔化す理由を考えているのかな、と安室さんを見つめる。

「そうですか。奇遇にも僕も乗っていたんですよ。火事は大丈夫でしたか?」
「はい。前の号車にいたので」

咄嗟に嘘をついた。
安室さんに私のことで不安になって欲しくなったから。

「僕にもそれ一口下さい」
「え、はい」

食べかけのソフトクリームを安室さんは器用に舌で掬って飲み込んだ。
でも、私は知ってはいけない事を知った。
彼の秘密。
彼の仕事は探偵や店員だけではない、もっと重要な何か。

でも、それは聞いてはいけない。知ってはいけない。
それが約束。

「美味しい」

そう言って私に向ける笑顔。
この笑顔を独り占めしたい。その太陽の様に明るく笑う安室さんに闇を感じた。
そういえば安室さんは前に爆弾処理をしていたっけ…
そんな一般人が出来るはずもない技が安室さんは簡単に成し遂げた。

「帰りましょう。家まで送ります」
「安室さん…」

私の言いたい言葉が喉のすぐそこまで出かかっている。
でもそれをソフトクリームと一緒に飲み込んだ。

私はそれでもいいと安室さんにあの夜誓った。
だからその約束を破るわけにはいかない。
でも、安室さんが好きなのは変わらない。

「安室さん、手繋いでもいいですか?」

笑って手を差し出す安室さんに私は笑う。
安室さんとこうしていつまでも手を握り合って歩きたい。

冷たくて大きい手が私の心を温めた。






JUST IN CASE(万が一、私が約束を破ったら)


MATE OF FATE 編 END

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設定タグ:降谷零 , 安室透 , 名探偵コナン   
作品ジャンル:アニメ
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恋魔法ちゃん(プロフ) - 明里香さん» 返信が遅くなり申し訳ありません。ご指摘のコメントありがとうございます。今更ですが、訂正させていただきます。ありがとうございました(*´-`) (2019年1月6日 23時) (レス) id: f14e05799e (このIDを非表示/違反報告)
恋魔法ちゃん(プロフ) - 空さん» 返信が遅くなり申し訳ありません。コメントありがとうございます。続編も楽しんでいただけていましたら嬉しい限りです(*´-`) (2019年1月6日 23時) (レス) id: f14e05799e (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 42話に誤字がありました。「火事じゃないら」ではなく、「火事じゃないから」です。 (2018年12月16日 11時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 9話に誤字がありました。「皆んな」ではなく、「皆」です。 (2018年12月16日 11時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
- 続編おめでとうございます!これからも楽しみにしてます! (2018年12月3日 22時) (レス) id: 040b745b0a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:恋魔法ちゃん | 作成日時:2018年11月3日 20時

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