【降谷 零】TIME OUTSIDE SERVICE【名探偵コナン】

Episode39.DEPRESSED ページ39

「お、いたいた」

お昼休憩、ポアロで昼食をとっていると毛利さんが私と隣にいた安室さんを見つけて嬉しそうにこちらに来た。
安室さんと目を合わせて何のことだろうと思っているとテーブルにチケットを置く。

「温泉宿泊券？」
「あぁ。蘭が福引で当ててな。5枚当たったんで、蘭とコナンと俺で3枚、後はお前らにやるよ」

温泉…！
私が安室さんと行きたいところ1番。
前、温泉に行こうと安室さんが言ってくれたけど結局日が合わなくて行けてない。
私は合わせられるけど安室さんは1日丸々休みがある日は少ないから。

「お前らこの間蘭の誕生日の時、喧嘩でもしてたのか？空気重かったぞ」

鋭い毛利さん。

「その様子じゃ仲直りしたんだろ。行こうぜ」
「そうですねぇ。毛利さんと行けるなら事件も起こるかもしれませんし、行きましょうか」
「不吉なこと言うんじゃねぇよ！」

ってことは、安室さんと温泉に行ける！
安室さんの浴衣姿が見られるということ。
日程は今週金曜日から2泊3日。

「楽しみ」

帰ってから調べてみよう。

「毛利さん、探偵の依頼で明日からポアロ休むので金曜日まで何かあればメールしてください」
「おう。わかった」

そっか。安室さん、明日からまた探偵のお仕事でいなくなるのか。
その間にできることはやっておこう。

お昼休憩終了の5分前にポアロから出て会社に戻ろうとすると甘い香水の匂いが風に流れて香ってきた。

「久しぶりね。エンジェル」
「…ベルモットさん」

帽子を被りサングラスをかけた美しい女性が立っている。
ベルモットさん、とはもうあまり関わりたくない。安室さんが嫌がる。

「せっかくバーボンと別れたと思ったのに仲直りしたのね」
「どうして知ってるんですか」
「だってバーボンったら魂が抜けたようになってたもの。血なんて通ってないと思っていたけれど、重症のようね彼」

バーボン
彼のもう１つの名前。
彼女との関係も気になるが、そんな名前が必要になるなんてどんな事をしているんだろう。
探偵仲間だと思っていたがそうでもないみたいだし。

私はこの耳で安室さん自身がバーボンだと名乗ったのを聞いている。

「エンジェル、会えてよかったわ。それじゃあね」

ベルモットさんがポケットから電話を取り出し、電話をしながら人混みに消えていく。
私はその後ろ姿が見えなくなるまで見つめて会社に入った。






DEPRESSED(Aの憂鬱)

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