【降谷 零】TIME OUTSIDE SERVICE【名探偵コナン】

Episode26.ALMOST AS IF ページ26

「ここが私の家です」

車で送ってもらい自分の家を見たら安堵からのため息が出た。
隣を見ると安室さんがいて、本当に心強い。

「あの…」
「はい？」
「お礼も兼ねて、映画を一緒に観ませんか？」

突然の誘いに驚く安室さん。

「実は友人から映画のチケットを2枚もらちゃって…もし良かったらなんですけど」

本当は映画のチケットなんてないけど、口実の為に嘘をついた。
安室さんは少し考えると、いいですよと頷いた。
まさか良いと行ってくれると思わなかったので少し驚いたが、これで安室さんとデートできる。

「来週の金曜日の夕方からなら空いてます」

来週の金曜日は有給を取った日。
私にとってはすごく好都合だった。

「私もその日がいいです！」
「なら、ポアロの仕事が4時に終わるのでそれからで。待ち合わせ場所はポアロでいいですか？」
「もちろん大丈夫です」

自分の家のドアを開け、そのままリビングのソファにダイブした。
嬉しい。
安室さんと2人で映画を観れる。

「服買って、美容院も行こうかな」

胸が弾む。まるで遠足の前の日みたいに。
後ろのカレンダーに来週の金曜日の場所に丸印をつけた。
たった1週間なのに凄く長い時間な気がして、早く時が過ぎますようにと東京の星が見えない空に願った。




目覚ましが鳴り響き、いつもは起きるのが嫌な朝が今日は気分良く目覚められた。

カレンダーには先週から毎日つけたバツ印がもう丸印に追いついた。
まだ朝の9時。
とりあえず、お化粧をして美容院に行こう。

付けっ放しのテレビでの今日の占いは1位だった。
何か良いことがある、そう思いながら準備を進め、時間に比例して私の胸の音は五月蝿くなる。
目を閉じて手の平に人の文字を3回書いて飲み込んだ。

「安室さん！お仕事お疲れ様です」
「Aさんもお仕事お疲れ様です」
「実は今日は休みを取っていて、仕事じゃ無いんです」

ポアロで合流し、映画館へ足を進める。
ここから15分ほどのビルがシネマビルになっていて幅広い年代に人気の映画館だ。

「安室さんは何か好きな映画ありますか？」
「そうですねぇ…ミステリー系が好きです」
「安室さんらしいですね」

安室さんは私立探偵もやっているらしくポアロの二階の毛利探偵事務所の探偵、毛利小五郎さんの助手をたまにやっているとかなんとか。

「ミステリーにしましょう」

私がそう言って笑うと安室さんは照れたように笑い返してくれた。






ALMOST AS IF(それはまるで)

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