Episode19.VIRTUAL IMAGE ページ19
「いらっしゃいませ。ベルモット様のお連れの方ですね。お待ちしておりました」
生まれて初めてこんな高級そうなお店に入った。
従業員の方に案内してもらうとそこには美しいベルモットさんがいる。
誰が見ても彼女の容姿にはため息を零すのではないだろうか、と疑問に思う。
「夏祭り以来ね。フォーマルな格好もよくお似合いよ」
「お招きいただきありがとうございます」
お礼を言うとベルモットさんは私に飲み物のメニューを渡す。
あまりお酒は飲めない。
カクテルなどのジュースのようなものなら飲めるので適当に甘そうなカクテルを頼んだ。
「貴女の前での彼って安室透だけなの?」
いきなり本題を持ち込んできた。
「…安室透さんだけだと思っています」
「へぇ…じゃあ、バーボンは知らないのね」
「ベルツリー急行の時にその名を彼の口から聞きました。だからベルモットさんは安室さんの探偵仲間か何かでバーボンというのは偽名ですよね」
私がそう言うと一瞬ベルモットさんは手が止まり、次に大笑いに変わった。
何か変なことを言ったのかなと思っていると
「彼とは探偵仲間ではないわ。それよりももっと深い仲よ」
私の知らない時間を彼女は知っている。
それで私が傷つくことも彼女はわかってるんだ。
「安室さんを信じています」
「A、それは彼が人殺しでも同じことを言えるの?」
私の思考が完全に停止する。
「安室さんはそんなことしません」
「信じるか信じないかは貴女の勝手だけれど、彼は貴女が信じるような男ではないわよ」
「どうしてベルモットさんが決めつけるんですか」
少しベルモットさんを睨むと、私の頰を長く綺麗な手で優しく撫でる彼女。
「バーボンから何も教えられてないんでしょう。可哀想なA。私の所へ来たらいいのに」
「…安室さんは優しくていつも周りに目を配って行動できる方です」
「後半は合っているけれど、前半は間違いよ。バーボンは冷徹で淡々と仕事をこなしている。彼の本性を知らないから貴女は彼の知らない時間を勝手に想像して埋めているだけよ」
図星だった。
彼は普通の人ではない。ましてや、普通の探偵ではない。
爆弾処理能力、いくつもの名前、生傷…上げ出せればキリがない私の知らない彼。
それを約束のせいにしていつも背を向けている。
だから、私が知っている彼を使って勝手に彼のいない時間の彼を見繕っていた。
VIRTUAL IMAGE(彼への虚像)
Episode20.GOD PARENT→←Episode18.FIRE WORKS
505人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
【降谷零】今欲しいのは元彼を忘れる方法です 2【恋愛始めます】
【降谷 零】TIME OUTSIDE SERVICE 2【名探偵コナン】
もっと見る
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
恋魔法ちゃん(プロフ) - 明里香さん» 返信が遅くなり申し訳ありません。ご指摘のコメントありがとうございます。今更ですが、訂正させていただきます。ありがとうございました(*´-`) (2019年1月6日 23時) (レス) id: f14e05799e (このIDを非表示/違反報告)
恋魔法ちゃん(プロフ) - 空さん» 返信が遅くなり申し訳ありません。コメントありがとうございます。続編も楽しんでいただけていましたら嬉しい限りです(*´-`) (2019年1月6日 23時) (レス) id: f14e05799e (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 42話に誤字がありました。「火事じゃないら」ではなく、「火事じゃないから」です。 (2018年12月16日 11時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 9話に誤字がありました。「皆んな」ではなく、「皆」です。 (2018年12月16日 11時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
空 - 続編おめでとうございます!これからも楽しみにしてます! (2018年12月3日 22時) (レス) id: 040b745b0a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:恋魔法ちゃん | 作成日時:2018年11月3日 20時