メロンパンとプロレスラー ページ9
東都国技館。
俺が目指していた場所だ。
係員に、アポ取ってあると名前を伝えると、すぐに控室の方へ通してくれる。
静かな廊下を歩いてると観客の歓声が遠くで響き渡ってるのが聞こえた。
おお。勝ったかな?
今日の最後は帝都プロレスの看板レスラー、ウルフェイスの試合だ。
ちょっと前の殺人事件のあとは殺人プロレス団体とかマスコミに騒がれ、嫌なレッテルを貼られていたけど、最近ようやく人気を取り戻しつつある。
「よっ!久しぶり、元気か?大神」
「猫川先輩、お久しぶりです」
相変わらず礼儀正しい大神。
何を隠そうコイツが人気プロレスラー、ウルフェイスだ。
俺の中学高校の時の部活(空手部)の後輩。
「前から頼んでた例のもの。もらえるか?」
両手を合わせて頼む。
「もちろんですよ。良い席2つ取っときました」
「ありがとう。恩にきる」
「いえ。学生時代に何度もお世話になってますし、このくらいは」
「俺お前に空手教えるどころか負けてばっかだった気がすんだけど・・・・・・」
「俺は技術うんぬんより、最も大事な心を教えてもらいましたから」
「・・・・・・大神、お前良いやつだな」
そう言えば照れたように頬をかく。
彼女いるのも納得の良い男だ。
「でもそれ誰も行くんですか?先輩プロレスそんな好きじゃなかったですよね。今まで何回誘っても試合観にきてくれないし」
「後輩刑事のカップルあて。そのカップルの女の方は昔の相棒だし、色々協力してんだよ。まあ浮気の疑いかけられたけど」
「何してんスか」
呆れたように笑われる。
「・・・・・・幸せになって欲しいからな。
そだ。お前も彼女にサプライズする予定あったら手伝うからな。任せとけ」
「じゃ、そん時は頼みます」
ともに笑った。
コイツなら俺が助力するまでもなく、彼女を幸せにできそうだけどさ。
「じゃ、俺職務中だから帰るわ」
「猫川先輩、そのサボり癖直したら、モテますよきっと」
「余計なお世話だ」
後輩に軽く腹パンしてから、東都国技館を後にした。
・・・・・・・・・・・・車ねーんだった。どうしよ。
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ぶどう - フウマさん» 了解です!緋色シリーズのエピローグまで書いてから、検討します! (2022年5月17日 20時) (レス) id: 0aed378d42 (このIDを非表示/違反報告)
フウマ(プロフ) - 過去編と純黒の悪夢とゼロの執行人、書いてほしいです! (2022年5月17日 19時) (レス) @page30 id: 5bc30b04a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぶどう | 作成日時:2022年5月8日 12時